前回日本酒の呪文を解読するシリーズということで、無濾過生原酒は「無濾過」「生」「原酒」の3つの言葉出成り立っていますというお話から、第1弾「無濾過」についてお話しました。
今回は「無濾過生原酒」の2つ目、「生」についてお話します。
この記事は音声配信で配信した内容と基本的には同じですが、多少変更しています。
あとで聞き逃した内容などを確認していただいたり、画像を貼り付けたものを確認していただくのにご利用ください。
音声配信以外から来ていただいた方はぜひ音声配信で聞いていただけると嬉しいです。
【日本酒の呪文を解読する】無濾過生原酒の「生」とは?
3つの言葉がくっついているので「生」となっていますが、単体では生の酒とかいて「生酒」のことを表しています。
「生酒」というのは火入れをしないお酒ということです。
じゃあ火入れって何?という話からします。
日本酒の火入れは発酵を止めるための工程
火入れは簡単に言うと発酵を止める工程です。
日本酒は生きた酵母や乳酸菌などの力でお米を発酵してできます。
発酵が終わり、目標の酒質、味わいになったタイミングで搾りの工程に入っていくのですが、ずっとそのままにしていると残っている酵素などの働きで味が変化してしまいます。
なので酵素などの作用をストップさせるために火入れという作業を行います。
火入れといっても直接火で炙ったりするわけではなく、だいたい60〜70℃ぐらいの熱湯などで温度をかけます。
火入れには火落ち菌といって酒質を変化させてしまうような菌を殺菌する役割もあります。
フレッシュピチピチ!火入れをしないからコソ出せる生酒の味
通常火入れは発酵して搾った後すぐと貯蔵し熟成されたものを出荷する前の2回実施します。
この2回とも火入れをしないのが今回の無濾過生原酒の「生」、「生酒」と呼ばれるものになります。
火入れには酵素の働きを止めたり火落ち菌のような菌を殺菌する役割があると言いましたが、その工程を全くしていないので、生酒の管理はとても繊細です。
しっかり温度管理をし、開栓後はできるだけ早く飲む方がいいとされています。
「生酒」はこういった特性があるので要冷蔵品です。
「生酒」と書かれている日本酒はいつもお話ししている分類としてはモダン系になります。
生酒の味わいの特徴はなんといってもフレッシュさです。
火入れをしていない分出来立てのそのままのピチピチ感が味わえます。
例えていうならお刺身のようなものです。
もちろん焼き魚にして食べてもおいしいですが、お刺身で食べることでより魚の新鮮さが感じられますよね。
また、お刺身は冷蔵庫に保存していないと痛んでしまいますよね。
生酒もそれと同じです。
もし生酒なのに普通に常温で販売されていたりするとそのお店は要注意です。
生酒によっては微発砲していてピチピチ、シュワシュワしているものもあります。
特に日本酒に馴染みのない方は生酒の方が飲みやすいと感じることが多いので、これから日本酒色々試したいなと思った方は、生酒のものを1本買う、もしくはご飯やさんで注文してみてください。
さいごに
11月頃から年明けあたりは新酒のシーズンでもあります。
せっかくこの配信を聞いてくださっているので、もしあまり日本酒に馴染みがなかった方は、ぜひ今年から日本酒を初めてみてはいかがでしょうか。
少しでもきっかけになっていただけると嬉しいです。
ということで今回は無濾過生原酒の「生」、「生酒」についてお話ししました。
おもしろかった、そういうことだったんだねと思っていただけたらぜひいいねやフォローをお願いします。
次回は最後の「原酒」についてお話しします。
では次回の配信でお会いしましょう。
最後までご視聴ありがとうございました。