日本酒の原料となる米麹は、スーパーマーケットなどで簡単に入手することもできますが、実は家庭でも手作りすることもできます。
日本人が約2000年の間大切にしてきた麹づくりの文化を、ご自宅でも再現されてはいかがでしょうか。
自分の手で丹精込めて作り上げることによって、発酵食の世界が無限に広がります。
ここでは、手軽に家庭で実践できる米麹の作り方をご紹介していきたいと思います。
米麹や麹菌とは何か、日本酒や発酵食品の魅力・健康への効果についてはこちらに書いてありますので合わせて読んでみてください↓
用意するもの
1. 麹箱
木箱がベストですが、衣装ケース、発泡スチロール箱、段ボール箱などでも、保温・保湿できるものであれば、活用が可能です。
2. 木のトレイ
調湿作用のある木製がベストです。
3. 温度計
棒状の温度計と、麹箱用には外部センサーがついたものが便利です。
4. 寿司桶
麹菌を蒸し米に種付けする時に使います
5. 蒸し布
米を蒸すときと発酵中の麹の加湿に利用します。
6. スノコ
木のトレイを乗せ、下に熱湯を注いだボウルを設置します。平らで浅いバスケットなどで代用可能です。
7, 蒸し器
米を蒸す際、また木のトレイに敷いて使用します。
8. 電気毛布、加湿器
発酵中、麹箱を保温、加湿するために用います。加湿器が無い場合は、熱湯を入れたボウルを設置することで対応できます。
9. しゃもじ
10. 茶こし
種麹で種付けをする際に使用します。
材料
1. 種麹(もやし)
インターネット上で、種麹や(もやしや)から入手できます。通常、白い粉末です。種麹には種類がありますが、ここでは味噌用、甘酒用を用います。
2. 白米
白米3カップに対し種麹2~3gを使用して、約500g、白米5カップに対し種麹3〜5gを使用して、約920gの米麹が出来あがります
麹づくりの工程
1. 洗米・浸漬
米を洗い、一晩水に漬けます。
2. 水切り
前日から浸漬していた米をざるなどにあけて十分に水を切ります。最低1時間を水切りしてください。
3. 蒸米
蒸し器に蒸し布を敷き、水切りをした米をセットします。
米についた雑菌類を殺菌し、麹菌を繁殖しやすくしたり酵素の作用を受けやすくするために蒸します。
蒸し時間は約1時間です。
4. 冷却
米が蒸しあがったら、寿司桶に移し、種付けの最適温度の約40℃までうちわなどであおいで冷却します。
水分を飛ばすので木製の寿司桶が最適です。
5. 種付け
蒸米が40度になったら種麹を付けます。種麹を茶こしに入れ、振り掛ける場所を変えながら、3,4回に分けて振りかけます。
蒸米のかたまりをほぐして米粒一つ一つがまばらになるように種麹をまぶしていきます。
6. 引き込み/堆積
種付けが終了したら米粒を木のトレイに移します。
この時、湿らせた蒸し布を敷きます。表面をかるくならし、上からも湿らせた蒸し布をかけます。
7. 引き込み/堆積
麹箱内の温度を約30℃前後にしておくために事前に電気毛布の電源を入れておき、麹箱をくるんでおきます。
この時、外部センサー付きの温度計で調整します。
加湿器を使用する場合は、あらかじめ電源を入れ、麹箱内にセットします。または、平らな容器に熱湯を入れ、スノコの下にセットします。
蒸気を充満させ、木のトレイをスノコの上に設置し、蓋をして、ふたたび電気毛布で包みます。
8. 発酵
麹菌の繁殖最適環境は30℃、湿度90%前後です。
この環境下で、蒸米についた胞子は水分を吸収して発芽し、菌糸を伸長させます。
この環境を保ち、48時間、麹箱で寝かせます。
9. 出麹
麹箱から、完成した麹を出すことを出麹といいます。
米粒の表面に真っ白な麹がまんべんなく繁殖しています。
ここで出来上がった米麹は、“生麹”といいます。
スーパーマーケットなどで売られている米麹は、乾燥されている“乾燥麹”といいます。家庭でつくった生麹は、そのまますぐに使用するか、あるは冷凍庫で保存することも可能です。
ぜひ作って見てください。
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