日本酒紹介

隠れた個性派日本酒!大阪の人が知らない日本酒「片野桜」

地域の名産というのはたいていの人はそれなりの自信を持っていると思います。

日本酒好きなら地域の酒というのは推していきたいでしょう。
ですが、都道府県の人でも知らない日本酒というのがあります。

 

大阪府交野市にある山野酒造の「片野桜」です。

 

これは実際に日本酒をよく飲む大阪の人達に聞いてみた事ですが、この片野桜というお酒を知っているかどうか聞いてみたところ、知っている人は誰もいませんでした。

 

今回は一風変わった日本酒、片野桜をご紹介します。

 

 

生ひね上等!山廃原酒が多い片野桜

 

大阪の人にも知られていない片野桜ですが、ほぼ無名に近い酒蔵です。

 

造っている日本酒のほとんどが原酒で、山廃造りに力を入れている蔵でもあります。

また生酒も多く、生原酒の山廃というかなり個性的な酒蔵です。

 

また生原酒の商品では、場合によっては生ひねしてもしょうがないという蔵の考えがあるほどのこだわりを持っています。

 

定番品として造っている純米も生原酒の山廃。

高級酒として造っている純米大吟醸も生原酒の山廃という、とにかく生原酒と山廃が目立つ酒蔵です。

 

【酒蔵情報】

大阪府交野市私部7-11-2

公式HP: http://katanosakura.com/

 

他とはちょっと違う山廃

 

そんな片野桜ですが、実はこだわりの山廃造りは他の酒蔵と少し違います。

 

今現在多くの酒蔵の山廃造りは、乳酸を追加して酸度を上げることが多いそうですが、乳酸添加をせずに昔ながらの本来の山廃造りで酸度を上げて造るやり方をしているそうです。

 

主流が逆になると、本来の造りが珍しい方になってしまいますが、味わいの差は大きく、とにかく骨太で味わいの奥行きが強く、旨味の濃いお酒になっています。

 

ちなみに蔵の杜氏さんは、乳酸添加の山廃の造りは分からないので、ほかの酒蔵の山廃も自分たちと同じように造っていると思っていたそうです。

 

片野桜ラインナップ

 

片野桜でおすすめするポイントは、生原酒と山廃です。

 

生の原酒の力強さによる旨味の濃さと、山廃の奥行きのある深みが一番の特徴だと思います。

 

また酒質も年々と綺麗になってきて、日本酒としての完成度も高くなってきています。

 

山田錦と雄町

 

■ 片野桜 山廃純米無濾過生原酒 山田錦

 

片野桜の代表とも言えるお酒です。新酒の時期から絞って定番品として発売されています。

 

年によって若干の成分値の差がありますが、風味は辛口、まろやかな酸味を感じる香りがあります。

 

口に含むと山田錦らしい米の旨味の膨らみを感じますが、酸味もあるため余韻はそれほどしつこく残りはしません。

 

飲むほどに味わいの深みを感じる片野桜のスタンダード酒です。

 

 

 

■ 片野桜 山廃純米無濾過生原酒 雄町

 

山田錦との兄弟品とも言うべき雄町です。こちらも定番品です。

 

雄町を知らない方はこちらをどうぞ。

酒米の違いから見る日本酒!酒造の個性を引き出す岡山の酒米「雄町」の画像
酒米の違いから見る日本酒!酒造の個性を引き出す岡山の酒米「雄町」雄町は酒米の中でも山田錦・五百万石に並ぶほど有名で、日本酒好きを魅了する深い味わいがとても人気のある酒米です。今回はこの備前雄町を使った日本酒をご紹介します。日本酒が好きな人なら”オマチスト”なんて言葉を聞いたことはないでしょうか?岡山県で主に生産される酒造好適米「備前雄町」を使った日本酒が好きな人を"オマチスト"と呼ぶのですが、一時期この言葉が流行るぐらい雄町好きな日本酒飲みが増えました。...

 

山田錦よりも風味はやや甘めになりますが、米の膨らみよりも旨味がよく出た酸味が特徴です。米自体の特徴と山廃造りによる酸味も相まって、ジューシーさも感じられます。

 

雄町好きには骨太の日本酒に映るかと思います。

 

また、この二つの定番品は春~夏~秋と季節を重ねるごとに味わいの変化がよく分かる日本酒です。

 

新酒の時期のシャープな印象から、ひやおろし時期の生熟感のボリューム感まで幅広く楽しめます。

 

また生原酒ながら飲む方も、冷やせば綺麗な旨味としつこくないコクの強さを楽しめて、燗につければ米の膨らみと乳酸の優しい香りでほっこりするお酒になります。

 

季節ごとに飲みたくなる2本です。

 

■ 片野桜 特別純米生原酒 雄町

 

かたの桜 速醸雄町

山廃ではない片野桜の一本です。

 

風味はやや辛口、酒らしい香りの定番酒です。

 

酸味はありませんが、まろやかさは蔵の日本酒に通じる印象があります。

 

雄町らしさもそれほど主張し過ぎないマイルドビターという言葉がピッタリな、いぶし銀な渋い仕上がりになっています。

 

軽く冷やして飲むのがおすすめです。

 

■ 話したい事がある

 

話したいことがある
hatena fotolifeより】

 

名前がとても興味を引く一風変わった純米の古酒。

 

3年以上寝かせた古酒で、麹を普通よりも多めにすることで酸が際立った多麹の純米で、酸味の中に米の旨味がしっかりとあり、燗につけるとまるで冷酒を飲んでいるようなさわやかさを感じる不思議なお酒です。

 

定番品だったのですが、残念ながら蔵では既に在庫は無く終売になっています。

 

どこかで見つけたら是非燗で飲んでみて下さい。

 

余談ですが、大体話したい事がある誰かにと言われた場合、良い話ではない事が多いのではないでしょうか。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

片野桜は日本酒の中でも相当なマニアックな日本酒だと思います。

日本酒好きでも知らないお酒でしょうし、たぶんこれからも有名になることはきっとないと思います(笑)

 

片野桜は生原酒の山廃という、コアな日本酒が特徴ですが、蔵の在庫の中には生原酒で山廃で古酒で数年~数十年熟成などという、誰も想像できない商品も存在するそうです。

 

今現在全国で目にする日本酒は、ほんの一握りだそうですが、世の中にはまだまだ知られていない驚くような日本酒がきっとあることでしょう。

 

是非山廃の日本酒好きのファンは片野桜を飲むのをおすすめします。

 

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すぎたま
日本酒メンター・福岡のきき酒師|“やさしい日本酒案内人”として日本酒をもっと気軽に楽しめるように情報をお伝えしています!|好きな銘柄は「風の森」「鳳凰美田」「田中六五」。|住吉酒販(福岡県)公認パートナー|唎酒師(ききさけし)・日本酒ナビゲーター|日本酒好き本職IT系サラリーマン|酒屋さんをはじめとするWebサイト制作やWebツール活用などのお手伝い
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