かつては『由利正宗』という精撰でお馴染みだった秋田県の齋彌酒造店から出ている雪の茅舎(ぼうしゃ)シリーズのなかで、飲みやすく、初心者や日本酒の苦手な女性にもおすすめできる純米吟醸酒です。
その魅力をご紹介いたします。
雪の茅舎(ぼうしゃ)について
『雪の茅舎(ぼうしゃ)』という名前は、昔、東京から蔵を見に来たとある作家が、秋田から帰る時に、雪が積もった茅葺屋根の家を見て、こんな名前はどうだろうと提案したのが由来。
麹米には山田錦(55%)、掛米にはあきた酒こまち(55%)を使用しています。
山田錦は全国的に酒造好適米として知られていますが、掛米の『あきた酒こまち』も県内では多数の蔵が使用している酒造好適米。
酒米の特徴である、低タンパク、低脂肪の酒米は雑味の少ないお酒に仕上がります。このあきた酒こまちも、地元・由利本荘市の契約農家のものだけを使用するというこだわりっぷり。
もちろん杜氏をはじめとし、蔵人たちも自ら栽培し、自慢の酒米を育てています。
大半の酒米は自社で精米し、すべての造り、出荷までを一貫して行う徹底した酒造り。
ここに杜氏や蔵人たちの職人としてのプライドがうかがえます。
こうして大事に愛情をたっぷりそそいだ酒米を洗米、浸水する際には秒単位で管理する徹底した品質管理を行っています。
仕込み水には敷地内から湧き出ている裏山の新山の伏流水を使用していて、美味しいお酒造りにかかせないものとなっています。
この仕込み水、一般には出回ることはありませんが、飲み口はマロっとした柔らかい口当たりです。
麹室は秋田杉を全面に使い、杉材の湿度調整機能を十分に利用することで麹にとって最適な環境を作り出しています。
雪の茅舎(ぼうしゃ)の味わい
『雪の茅舎 純米吟醸』は精米歩合55%と磨かれた、クリアかつ柔らかな口当たりと香りの味は万人受けすること間違いなし。
アルコール度数16度と日本酒として標準的な度数ですが、嫌な日本酒臭さ、ツンとくる刺激臭がないため、そんなにキツく感じません。酸度は1.6度と飲みやすい仕上がりとなっており、甘酒のような甘く美味しそうな香りがします。
杜氏である高橋藤一氏は山内杜氏の会長を務めるなど、その腕は誰もが認める人。
自然の酒造り『櫂入れしない、加水しない、濾過しない』の『三無い醸造』を基本にしています。
『自然に醸すことによって旨みや香りがでる。そこに人間の手を加えるということは不自然なこと。』という考えのもと、酒造りを行っています。
こうして作られた酒は加水で薄まることもなく、濾過はせず、色や香り、味わいもインパクトをそのままに個性を残し、米本来の旨みや甘くやさしい香りをそのまま瓶に閉じ込めて、お店に並びます。
雪の茅舎(ぼうしゃ)のお供
日本酒といえばお刺身とイメージされると思いますが、まさにこの純米吟醸はピッタリ。
白身の淡白な味はもちろん、お酒の旨みも十分感じられるので赤身や川魚など、少し香りが強いお魚ともおいしく頂けます。
また、ダシを効かせて薄口に味付けした煮物などに合わせるのも良いでしょう。
甘口のお酒になっているので、和食の基本のお醤油や、シンプルに塩だけで味付けしたお料理など、肉、魚、野菜問わず楽しんで頂ける逸品です。
魚介と珍味のうまいものはこのあたりがおすすめです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
余談ですが、こちらの蔵は1902年創業の歴史ある建物です。
店舗、住宅、蔵などが国の有形文化財に指定されていて、とても立派でかっこいい酒蔵です。
酒蔵見学をご希望の方は一週間ほど前に事前連絡をすると対応していただけるそうです。
店舗でのお酒の取り扱いも行っています。
見学に行けば、そこのお酒をより深く知ることができて、より一層美味しくいただけそうですね。
あなたもお近くに行かれた際はぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか。
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