今現在、日本酒は全国で1500以上の蔵元が製造していると言われています。
1つの酒蔵は、少なくても2つ以上の銘柄を作っているのがほとんどなので、銘柄数だと倍の3000種類以上は存在します。
その銘柄すべてにラベルが貼られているわけですが、具体的に日本酒ラベルに何が書かれているかご存知でしょうか?
今回は日本酒の顔ともいうべき、ラベルの読み方について説明していきます。
「表ラベル」は日本酒の顔!銘柄の認知の全てを背負った重要ラベル
日本酒を飲まない人でも知っている、あるいは聞いたことがある日本酒と言えば、最近では「獺祭(だっさい)」ではないでしょうか。
獺祭とラベルの貼っている瓶を見れば、「これが獺祭か~」と誰でも思うはずです。
この「獺祭」が銘柄名であり、日本酒の顔となります。
必要最低限、それだけ分かればOKです。
日本酒の表ラベルに、明確に「これを書かなければならない」という厳密なルールは実はありません。
蔵元の任意で書いていることが多いですが、一番目立つ部分なので認知されやすいようにデザインや文字が工夫されています。
「表ラベル」で日本酒の顔(銘柄)以外に分かる事
銘柄名以外に、表ラベルに以下の5つの情報が書かれていることがよくあります。
- 製造元
- 精米歩合
- 原材料名
- アルコール度数
- 日付
製造元
「製造元」は酒蔵の名前と住所が端の方に書かれています。
これにより何処の都道府県で造られたのかが分かります。
精米歩合
「精米歩合」とは、日本酒を作るのに、どれだけお米を削ったかの数値になり、パーセントの数字で表記されます。
愛好家が良く気にする部分でもあります。
原材料名とアルコール度数
原材料名には「米、米こうじ」と書いてあること多いです。
「米、米こうじ」の二つだけが書かれている場合は”純米酒”のカテゴリーに分類されるということになります。
「米、米こうじ、醸造アルコール」と書いてあれば、”本醸造”などのアルコールを添加した日本酒に分類されます。
日本酒のアルコール度数は15度から18度くらいが平均的です。
加水したもの、原酒のままのものなどでアルコール度数は変わってきます。
日付
日付は多くのラベルに書いていることが多いです。
これは蔵から出荷された日付で書かれていることが多く、出荷年月までを記載しているラベルが多いです。
よく賞味期限と勘違いされますが、基本的に日本酒に賞味期限はありません。
直射日光に当てず冷暗所に置いておけば熟成が進み「古酒」として出されることもあります。
基本的にはこの5点が主に書いていることが多いのでチェックしてみてください。
日本酒の「表ラベル」より上にある「肩ラベル」は特徴を表現
表ラベルの多くは、瓶の中心部となる胴元に貼られていますが、胴よりも上部のなだらかな部分に貼るラベルを、主に肩ラベル(肩貼り)と言います。
肩ラベルには、表ラベルに書いてあった銘柄名や先ほどの5点以外の日本酒の特徴が書かれていることが多いです。
例えば、特殊な製法を書いていたり、その蔵のお酒の特徴となることが書かれていたりもします。
定番品の商品には貼られていないものも多く、季節品や限定品に貼られることが多いのも特徴です。
蔵によっては、この肩ラベルの代わりに、首かけの札をぶら下げている日本酒もあります。
顔よりも日本酒の性格が書かれている「裏ラベル」
表ラベルが顔なら、裏ラベルは日本酒の性質が書かれていることが多いです。
詳細にお酒の飲み方や、味わいを丁寧に書いたラベルもあれば、俗に成分値と呼ばれる各数値を書いたラベルもあります。
表ラベルと同じく、特に必ず書かなければならない項目はありません。
蔵によっては、杜氏という製造責任者の名前が書いてあったり、その銘柄を造ることになった逸話などが書いてあることもあります。
ですが、表ラベルに比べると、お酒の本質について書かれていることが多いです。
表裏一体!?ラベルの裏表と本質
実のところ、表ラベルと裏ラベルでは、どちらに書いてもいい事がほとんどです。
表ラベルに書くことを、裏ラベルに書いてもいいですし、表ラベルに最低限の情報を書き、裏ラベルがない日本酒もあります。
最低限の記載では銘柄、製造元、原材料名、アルコール度数、日付などでしょうか。
しかし、いくら丁寧にラベルが作られてあったとしても、ラベルだけでそのお酒の本質を捉えることは至難の業です。
必要最低限のことしか書いていない日本酒には、文字や数字に左右されずに飲んで味わいを自分の五感で感じて欲しいという、蔵元さんの想いも込められています。
やはり飲んでみなければ分からないことがあります。
“百聞は一献にしかず”でしょう。
日本酒のラベルの材質ってどんな材質?
ラベルの紙は、それぞれ材質が違うものがあるのをご存知でしょうか?
シールのように簡単に瓶に貼ることが出来るものから、和紙で出来ていて、一枚ずつ丁寧に糊付けされているものまであります。
高級なものではフェルト生地のものまで存在します。
これは小さい蔵に多いのですが、全て手作業で貼られている銘柄もあったりします。
なので微妙にズレているものや、間違ったラベルのものだったということも稀にあります。
何十何百と発注が来た場合、それらを一つずつ張り上げるのは中々に骨が折れます。
顔を作るのは実は結構大変だったりします。
まとめ
昔の日本酒のラベルは、単純に銘柄名が書いているものが多かったですが、今のラベルは、アートのように芸術性のあるラベルや、アニメや漫画のキャラクターのようなラベルも多くなっています。
単純に日本酒銘柄を紹介するのではなく、ラベルから飲んでみたいと思わせるきっかけや、ラベルのデザインで味わいを想像させて楽しませる意味合いが強く出てきていると思います。
CDや書籍などで、ジャケ買いなどという言葉がありますが、ビジュアルから入り、日本酒を知ることも、今の時代には必要なことかもしれません。
顔を見つめ、中身の性格を吟味しつつ、美味しく楽しく日本酒を飲むことが出来ればいいと思います。
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