日本酒と一緒に食べるものとして頭に思い浮かぶのはなんでしょうか。
居酒屋であればから揚げやだし巻き卵などたくさんの料理がありますが、実は蕎麦が日本酒にとても関係深い食べ物の一つなのです。
蕎麦の歴史と蕎麦屋と日本酒の関係について学んでみましょう。
蕎麦屋と日本酒の関係
なぜ蕎麦屋には必ずと言っていいほど日本酒を置いているのでしょうか。
それは江戸時代に遡ります。
江戸時代に豊島屋十兵衛門という人がいました。
当時の江戸はまだ日本酒を作れる技術が乏しく関西の方から運ばれる「下り酒(くだりざけ)」の方がはるかに美味しく、それをみんな飲んでいました。
豊島屋十兵衛門は神田橋付近、働く商人や武士などをターゲットにし、酒を提供する場を作りました。
ただお酒を出すのではなく食事も一緒に食べてくれればいいのではないか、ということで食事兼酒場を生み出しました。
そこで注目されたのが蕎麦でした。
江戸では蕎麦は主流でみんなに好まれる食べ物だったので、主に蕎麦屋に日本酒を置くことで需要を高めることが出来ました。
でもなぜ日本酒に蕎麦?
みんなが好きだからといって、別に蕎麦屋でなくてもいいような気がしますよね?
でも実は蕎麦屋だといい理由があるんです。
昔は今のように蕎麦を作り置きしてすぐに茹でて出す、ということはありませんでした。
ラップがあるわけでもなく、冷蔵技術も発展しておらず作り置きが出来なかったという理由もありますが、本来は蕎麦の香りをより味わっていただけるように注文を受けてから蕎麦を切り始めていました。
それから茹でるので出てくるまでに時間がかかってしまいました。
その間を埋める役割として日本酒が登場します。
日本酒を頼むと同時に蕎麦を注文しておいて、焼き海苔や蕎麦味噌などをつまみにして日本酒を飲み、お酒がなくなる頃に蕎麦がちょうど出来上がり食べる。というのが一般的な流れでした。
その名残から現在でも”蕎麦屋といえば日本酒”というのが定着しました。
蕎麦屋ならではのおつまみを楽しもう
当時のつまみは焼き海苔や蕎麦味噌がメインでしたが、今ではどんなものをつまみとして食べるのが粋なのでしょうか。
蕎麦屋でのオススメをご紹介したいと思います。
一番はなんといっても「だし巻き卵」です。
そばつゆの出汁を使っただし巻き卵はその店舗店舗のこだわりが顕著に表れる一品です。
良い蕎麦屋ほどだし巻き卵も美味しいと言われています。
蕎麦屋ではだいたいのお店に置いてありますので是非日本酒と共にお店の味を堪能してみてください。
もう一つのオススメは「天ぬき」「鴨ぬき」等の「ぬき」料理。
「ぬき」というのは天ぷら蕎麦、鴨蕎麦などの蕎麦の部分を抜くという意味です。
「天ぬき」を頼むと蕎麦を抜いた、あつあつのつゆに浸かった天ぷらだけが出てきます。
最後のシメはシンプルなざるそば・もりそばにしたいという人には上の部分だけをつまみとして最初にいただくもの粋な食べ方の一つだと思います。
また、ぬき料理は日本酒と一緒に全部食べてしまってもいいですが半分ほど残しておいて最後の蕎麦と合わせて食べる、なんて食べ方も蕎麦通な感じがしますね。
そんな蕎麦屋での食べる順番は健康面を考えて
↓
だし巻き卵など出てくるのに少し時間のかかるもの
↓
天ぷらなど脂っこいもの
↓
さっぱりとしたざるそば・もりそば
↓
日本酒を飲みながらつまみを食べ、最後は蕎麦と蕎麦湯で終わらす
といった形で食べるといいと思います。
間違ってもつまみだけでお腹いっぱいになって蕎麦が食べれない!なんてことにならないよう、つまみは少し控えめにして最後の蕎麦を堪能しましょう。
二日酔いにも蕎麦は最適!
蕎麦には肝臓のアルコール分解を促すパントテン酸やナイアシンなどの成分が含まれているので二日酔いにも最適な食べ物です。
またそば粉に含まれるコリンやタンパク質は肝臓を強くする効果があり、ポリフェノールやルチンは記憶細胞や毛細血管を強化する働きがあるので生活習慣病の予防にもなると言われています。
蕎麦屋で蕎麦を注文すると「そば湯」がついてきます。
そば湯は「蕎麦を茹でたお湯」のことですが、これにも多くの栄養が溶け込んでいるので最後にしっかりと飲むと体にいいでしょう。
二日酔いに限らずに蕎麦には体にいい栄養素が豊富に含まれており、その割にカロリーが低めなのでダイエット中でも気軽に食べることができる健康食だと思います。
他にも二日酔いに最適なおつまみは「二日酔い対策にオススメ!日本酒と相性抜群なおつまみ3選【dグルメでお得にレシピを探そう】」でも紹介していますので見てみてください。
さいごに
今では手軽に自宅でも食べられる蕎麦ですが、たまには外で食べる蕎麦とそれに合わせた日本酒を味わうのもいいのではないでしょうか。
江戸時代は蕎麦屋に長居をするのは粋ではないとされており日本酒は2杯程度、1時間ほどでお店を出るのが当時の庶民の楽しみ方だったようですが、現在では居酒屋のような蕎麦屋(蕎麦居酒屋)があるので時間は気にせずに思う存分楽しみましょう。
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