日本酒は作り方や醸造アルコールの有無などによって純米酒や吟醸酒、醸造酒などと分類されますが、味や香りに着目して4タイプに分類されるのをご存知でしょうか?
今回は日本酒の濃淡や香りで分類される4タイプ分類について紹介させていただきます。
日本酒は4タイプに分類できると知っておこう
日本酒を飲もうと思った時にラベルを見ても中身がどんな味なのか、香りは強いのか等、分かりづらいところがあります。
これを解消し、見ただけである程度の味・香りの想像がしやすいように分類されたのが4タイプ分類=香味特性別分類になります。
本来日本酒の味や香りは酸度・アミノ酸度・日本酒度といった数字で表されるのですが、一般の人はそれを見ただけでは判断できません。
そこで日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が20,000種類以上のお酒をティスティング、データ化した上で4つのタイプに分類できることを検証しました。
その4つのタイプは「薫酒(くんしゅ)」「爽酒(そうしゅ)」「熟酒(じゅくしゅ)」「醇酒(じゅんしゅ)」と呼ばれます。
この分類は味を想像しやすくするだけでなく、お店側がそのお酒に合った料理を提供しやすくなるという利点もあります。
それぞれの特徴をさらに詳しくみてみましょう。
日本酒の4タイプそれぞれの特徴とそれに合う食事
薫酒の特徴・・・淡麗で香りの高いタイプ
大吟醸酒や吟醸酒などが主に分類されます。
さらっとした甘さと華やかでフルーティーな香りは白ワインと似ていて海外でも大人気。
和食にも合いますが、洋食にもとても適しているタイプのお酒です。
果物のような香りに合わせて柑橘系を添える料理などとも相性はとてもいいです。
例)サーモンのマリネ、生ガキ(レモン汁)など
爽酒の特徴・・・香りは少なくなめらかな舌触りのあるタイプ
本醸造酒や生酒・生貯蔵酒などシンプルで低アルコール酒がここに分類されます。
軽快でなめらかな味わいでクセがないので、多くの人に好かれ飲まれる酒質があります。
香りが強くないので基本的にどの料理にでも合います。
特に淡泊な料理と合わせると味が邪魔し合わず、お互いの味を楽しめていいのではないでしょうか。
一般的に飲まれている日本酒の中でもっとも多いタイプのお酒です。
例)冷ややっこ、白身魚の刺身など
熟酒の特徴・・・ふくよかな香りとコクのある熟成タイプ
長期熟成酒・古酒といった希少価値の高い日本酒が該当します。
日本酒は本来無色透明ですが、長期熟成させることで黄金色・琥珀色のような少し色味がかった日本酒です。
長期熟成することで日本酒に含まれるアミノ酸成分が非常に多くなり、濃厚な香味を醸し出します。
濃厚な口当たりがワサビやトウガラシなどの強い香辛料と反発せずに味わえる特徴があります。
香りの強いチーズなどと合わせても、それに負けない芳醇な香りがあります。
他の日本酒に比べて値段が高めなので、食後酒として飲むのもアリです。
例)キムチ、うなぎの蒲焼きなど
醇酒の特徴・・・しっとりとした濃厚タイプ
純米酒など、精米率がそんな高くなく、アミノ酸成分がとても多く含まれて、ろ過をあまりしない(もしくは無濾過)のような造りものを指します。
原料本来のほのかな香りと濃厚な味わいがあります。
爽酒同様に香りが少ないのでどの料理にも合いますが、濃厚さを楽しみたい方はサッパリとした料理と合わせるといいと思います。
例)白だしのアッサリおでん、刺身(全般)など
日本酒の意外な効果!食事中に飲む相性について
日本食は比較的、味が濃すぎず素材の味を活かしたものがとても多いです。
なのでどの日本酒に合わせても良い一面を持ちます。
その中でもとくにココがいい!という日本酒のいいところを紹介したいと思います。
①魚の生臭さを抑える
日本酒に含まれる麹は魚の臭みを引き出さない、という効果があります。
生でお魚を食べる食文化のある日本ですが、そういった魚のマイナス面を引き出さないのが日本酒の大きなポイントです。
また魚に限らず野菜のアクを抑える効果もあります。
②お酢とも相性バッチリ
酸味の強いお酢はお酒の味を殺してしまったり、口の中で混ざってしまって不快な香りや舌ざわりになってしまうので合わせるのはとても難しいです。
それでも合うのが日本酒です。
酢の物など食べたあとに日本酒を飲んでも味が混ざりづらく、口の中を一度リセット(洗い流してくれるような感じ)してくれます。
ただし濃厚な辛口だと口の中に残ってしまい味が混ざってしまうことがあるので、サラっと清涼感のある甘口の日本酒をオススメします。
いかがでしたでしょうか、少しでもタイプ別の特徴を分かっていただけたでしょうか?
飲んだことない日本酒を飲むときにラベルと書かれている分と分類がどれなのか、これさえ覚えておけば自分の好みにあった日本酒を見つけやすくなると思います。
またもし自宅で友人を招いて食事をする、なんて時にはそのお酒にあった料理を少し気にして出して、より美味しい食事会にしてみましょう。
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