「日本酒を少し飲んでおいしかったけど、自分でどうやって楽しめばいいんだろう」
「日本酒飲みたいけど、お酒が弱いから楽しめる自信がないな」
日本酒を飲んでみたいけど、どうやったらもっと日本酒を美味しく楽しく飲めるのかわからないから教えて欲しいという声をたくさんいただきます。
今回はYouTubeや音声配信、SNSで日本酒の楽しみ方について発信しているすぎたま目線で、もっと日本酒が美味しく、楽しくなる6つの日本酒の楽しみ方についてご紹介します。
料理と合わせて日本酒を楽しむ
まず日本酒を美味しく楽しむために、「料理と合わせて楽しむ」という方法を最初に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
最近はお店に行って「ペアリング」や「マリアージュ」と言ってお任せできるところも多くなっています。
日本酒単品で飲んでもおいしいものはたくさんありますが、日本酒のタイプに合わせて料理を選べるようになるともっと楽しめるようになります。
ただ、自分で楽しむために「料理と合わせる」と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、実は基本的なポイントを覚えておくだけでとても簡単になります。
ポイントを順番にご説明します。
日本酒の大まかなタイプを知っておく|「モダン」と「クラシック」
普段から日本酒のタイプを専門用語を使わずに分ける方法をお伝えしているのですが、大きく分けると2種類に分けることができます。
「モダン」タイプ:フレッシュな味わいを楽しむ(要冷蔵の銘柄)
「クラシック」タイプ:熟成させて落ち着いた味わい(常温保存可能な銘柄)
※詳しくは「日本酒のタイプで分類して覚えておく」の章でご説明します。
さらに、ここに日本酒の味わいの濃淡をつけます。
ライト:淡い、軽い、さっぱり、スッキリ
リッチ:濃い、重い、しっかり、どっしり
この二つを組み合わせると以下のような4つの分類に分かれます。
専門用語などはなく、フレッシュか落ち着いているか、味が軽いか重いか、上記4つの分類を頭に入れておくことでこの後のお話がとても簡単になります。
ですのでこの味のイメージを頭に入れながら次のポイントに移りましょう。
日本酒と料理の合わせ方は「同調させる」のが基本の考え方
日本酒と料理の合わせ方として一番基本的な考え方としては「同じ味わいの組み合わせで同調させる」ということです。
「濃い料理には濃い味の日本酒」「淡い味の料理には淡い味の日本酒」「サラダなどのフレッシュな料理にはフレッシュな日本酒」というような組み合わせです。
例えばビールの場合、苦味と炭酸のスッキリした味わいに対して、焼肉や唐揚げなどこってりした料理を合わせることが多いと思います。
この合わせ方は反対の味わいを合わせて、スパッと脂や濃い味を切るという合わせ方です。
一方、日本酒は同調させることが重要になります。
ここで先程の分類と合わせて考えていきましょう。
フレッシュな味わい=サラダ・お刺身・フルーツなど
モダンタイプの日本酒は生酒などの要冷蔵の日本酒で、フレッシュな味わいが特徴的です。
フレッシュな日本酒にはサラダやお刺身などと合わせるのがおすすめです。
また、その中でも香りの華やかなタイプの日本酒であれば生ハムやフルーツなど、少し酸味がある日本酒であればマヨネーズの入っているポテトサラダと合わせてもとても合います。
落ち着いた旨味=肉料理・焼き物・天ぷらなど
クラシックタイプの日本酒は常温で保存できる、すなわち熟成されていて落ち着いた旨味が特徴の日本酒が多くなります。
その中でもスッキリしたタイプであれば塩の焼き鳥や天ぷら、旨味がしっかりした濃い味わいの日本酒であれば濃い味のタレ焼きと合わせるととても相性が良くなります。
熱燗にすれば炊き立てのご飯とおかずを食べているような、そんなイメージの合わせ方になります。
日本酒になったからこそできる意外な組み合わせ
中華料理でもカレーでも、和食でも洋食でも、白ごはんって結構どんなおかずにも合いますよね。
でもスイーツと白ごはん、チーズと白ごはんとかってなかなか合わせる方、合うと思う方は少ないとも思います。
でも、日本酒はお米を発酵させたからこそ、白ごはんではできなかった意外な組み合わせでも楽しむことができます。
まずチーズですが、ぜひやってもらいたいのが、旨味しっかり系の日本酒を熱燗にしたもとカマンベールチーズの組み合わせです。
ただ聞くだけだと「え、そんな組み合わせ合うの?」と思われるかもしれませんが、めちゃくちゃおいしいんです。
これも「濃い味には濃い味」という楽しみ方の原則通り、旨味しっかりの濃い味系日本酒に、白カビのクセがしっかりついたカマンベールチーズが相性抜群です。
騙されたと思って一度やってみてください!
次にスイーツと日本酒ですが、セブンイレブンのフルーツケーキや雪見だいふくと貴醸酒を合わせてみてください。
貴醸酒というのは「お酒でお酒を造った日本酒」と言われますが、発酵過程にお酒を入れることで発酵が途中で止まり、糖分が余計に残ることによって甘い日本酒になります。
この”甘い日本酒”の貴醸酒と「甘いスイーツ」がめちゃくちゃおいしいんです。
流石に白ごはんに雪見だいふくを乗せて食べる方はいないと思うのですが、これも発酵したからこそできる楽しみ方ですね。
他にはにごり酒を熱燗にしてあんこの饅頭といった和菓子との組み合わせでも楽しめます。
もちろん他の組み合わせでもおいしいものはたくさんあります。
ただ、料理とどうやって合わせればいいかわからない、あまりやったことがなくて難しいと思っている方は、まずは日本酒と料理の味わいを「同調させる」という組み合わせで楽しんでみてください。
酒器を変えて日本酒を楽しむ
日本酒で酒器と聞くと「お猪口(ちょこ)と徳利(とっくり)」をイメージする方が大部分ではないかと思います。
実はそんなことはなくて、日本酒を飲むための酒器も味わいのタイプによって変えることで感じ方が全く変わります。
例えば中田英寿さん監修の春夏秋冬を表した日本酒専用グラス「Nothland」を展開されています。
JAPAN CRAFT SAKE COMPANYでは日本酒の香りや味わいを最大限に引き出し、スタイリッシュに楽しむためのオリジナル酒器ブランド「Nathand」を展開。日本酒の楽しみ方が多様化する現代において、酒器を含めた日本酒を文化として世界に広めていきたいと考えています。
–JAPAN CRAFT SAKE COMPANY HPより
実はこのグラスを使って試飲させていただいたことがあるのですが、春夏秋冬、同じ日本酒を入れているのに全然味が違って感じるんです!
春は少し香りが立ち、夏はスッキリ、秋は旨味が感じられ、冬は落ち着いた味わいに。
なかなかここまで設計された酒器はないのですが、それでも使う酒器によって味わいは変わるので日本酒の楽しみが広がります。
そこで今回は先程の料理の章でお伝えした味わいのタイプに沿ってご紹介しましょう。
この酒器のお話は実際の酒器をお見せしながら動画でも説明しているので、まずは動画を見ていただくとイメージがつけやすいかもしれません。
モダンな日本酒に合わせるおすすめの酒器
モダンなタイプの日本酒はフレッシュでジューシーな味わいを楽しむために、ガラスの酒器がおすすめです。
ガラスの酒器で愛用している2種類のグラスをご紹介します。
ぼくが一番愛用しているガラスのグラスが、福岡県の住吉酒販さん限定の晴耕社の日本酒専用グラスです。
日本酒本来の味わいをダイレクトに味わいたいならこのグラスをめちゃくちゃおすすめします!
一脚4,400円するので少し高級と思われるかもしれませんが、それだけ出しても価値があります。
他のガラスのグラスと何が違うかというと、使われているガラスの中の金属成分を限りなくゼロにしているというところです。
ガラスの中の金属成分って実はお酒と触れることで味わいを変化させてしまっているんです。
その金属成分を限りなくゼロにすることで変化を減らし、お酒本来の素材の力強さを感じることができるんです。
通常のグラスで飲んだ時とこの晴耕社のグラスで飲んだ時では全然味が違うのが飲んだ瞬間わかりますし、美味しく感じるんです!
重量感もあり見た目もおしゃれなので飲むたびにテンションが上がりますし、ガラスも分厚めでしっかりしているので、洗った時に割れる心配もほとんどありません。
デザインもシンプルなので、長く愛用できるグラスと考えると、一脚4,400円ってそんなに高くないと思います。
次に最近よくモダンタイプの日本酒を楽しむときに使っているのがワイングラスです。
スパークリング日本酒も含めて、香りが華やかなタイプの日本酒は白ワイン用のグラスをおすすめします。(写真真ん中のグラス)
スパークリング日本酒であればスパークリングワインと同じようにフルートグラスを使う方もいらっしゃると思うのですが、スパークリング日本酒はワインに比べて全体的に香りも楽しめる銘柄が多いです。
フルートグラスだと繊細な泡の感じを楽しんだりすることはできますが、香りは白ワイン用のグラスに比べると少なくなります。
ですのでぼくはスパークリング日本酒や香りが華やかなタイプの日本酒は基本的に白ワイン用のグラスで楽しんでいます。
ワイングラスは色々種類があると思いますが、木村硝子店の「マロン 15oz」を使っています。(写真のワイングラスは木村硝子店のマロンシリーズのフルートグラス(左)とブルゴーニュグラス(右)です。)
ワインのソムリエの方などに教えていただいたのですが、値段も1000円台というお手頃価格で、飲食店でもよく使われている有名なグラスということでこちらにしました。
先程の晴耕社のグラスに比べて、日本酒のフルーティーな香りを存分に楽しむことができます。
おすすめの2種類のグラスをご紹介しました。
もともとモダンな日本酒は晴耕社のグラスに形状が似ている日本酒専用の「利き猪口 味わいグラス」を使っていました。
この「利き猪口 味わいグラス」は優れもので、形状は香りを感じやすいようにワイングラスのような膨らんだ形状になっていて、さらに下にはおちょこなどについている日本酒の色を確認するための”蛇の目”がついています。
日本酒を観察したりするのであれば値段もお手頃ですし、普段使いには十分なグラスです。
まずこれで楽しんでみるというのもいいのですが、やはり見た目からテンションの上がるようなお気に入りのグラスで日本酒を楽しむのが1番のおすすめです。
クラシックな日本酒に合わせるおすすめの酒器
クラシックタイプの日本酒は落ち着いた旨味を味わうために、常温〜熱燗で飲むことが多くなります。
そのため、熱いものを入れてもよく、ゆっくり楽しめる陶器の酒器がおすすめです。
クラシックタイプの日本酒を飲むときによく使われる酒器がおちょこ・ぐい呑み・平盃ですが、もし熱燗にした時にツーンとする香りが気になるという方は、平盃を使ってみることをおすすめします。
飲み口が小さいおちょこの方がダイレクトに鼻にアルコールが上がってくるので、ツーンとしたりキリッとした味わいとして感じやすくなります。
一方で平盃は飲み口が広がっているため、アルコールが分散しながら上がってくるのでツーンと感じにくく、さらに酸素と触れる面積が大きいので酸化によってまろやかに感じやすくなります。
あと、クラシックタイプを飲む際の酒器のおすすめの楽しみ方は、色々なところでお気に入りのおちょこを集める楽しみ方です。
その時の気分によって変えられると楽しいですよね!
ぼくのお気に入りは福岡の小石原焼の「秀山窯」のおちょこです。
見つけた時に「かっこいい〜!」ってなってすぐに買っちゃいました。
だいたいどこでも300〜400円ぐらいで売っているので、色々なデザインや手で持った時の感触などで集めると楽しいです。
お気に入りの酒器で日本酒を楽しんでみてくださいね!
土地(地酒)で選んで日本酒を楽しむ
日本酒のことを「地酒」ということがよくあります。
これは”地元の日本酒”を表しますが、その土地の日本酒を楽しんでみましょう。
地酒を楽しむための日本酒のおすすめの選び方として「行った先の土地の日本酒」と「自分の地元の日本酒」という2つがあります。
旅行先・出張先など行った先の土地の日本酒を選ぶ
地酒の楽しみ方で一番好きなのが行った先の土地でその土地の地酒を楽しむ方法です。
地酒というのはその土地のお米、その土地の自然環境、その土地の水で造られているものです。
そのため、その土地の食文化との相性がとてもいいんです!
(画像は結構前ですが、京都に行った時に京都の和食屋さんで日本酒をいただいた時の写真です。)
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例えば北陸であれば魚介などが多いですよね。
それに伴って魚介と合わせやすいスッキリした印象の日本酒が多かったりします。
しかし、同じ海鮮が美味しい地域であっても、例えば佐賀県の日本酒は甘い銘柄が多いのですが、それは九州は刺身醤油が甘く造られているのが有名なのと同じように、その土地の味覚や食文化の影響もあります。
その場所の郷土料理と地酒を合わせて楽しむというのは、行かないとなかなかできないことなので、ぜひ旅行や出張などで別の場所に行かれて食事をする際は、日本酒も料理も合わせてその土地の味覚を味わってください。
自分の住んでいる場所や出身地の日本酒を選ぶ
旅行などに行けばその土地の日本酒を飲んで欲しいですが、もう一つぜひやってほしい日本酒の選び方として「自分に関係する場所の地酒を選ぶ」ということです。
あなたの出身地や今お住まいの場所の酒蔵数ってどれぐらいかご存知ですか?
例えば今ぼくは福岡に住んでいるのですが、福岡に来るまでは”九州といえば焼酎”というイメージでした。
ですが、実は福岡県は酒蔵数全国5位、日本有数の日本酒どころなんです!
ご存知でしたか?
もちろん全国各地には全国的に有名な日本酒がたくさんあるので、SNSなどで話題になっていたりする銘柄は飲んでみたいですよね。
そういった有名な日本酒を楽しんでいただくのももちろんいいのですが、ぜひご自身の周りの日本酒も味わってみていただきたいんです。
住んでいる都道府県、もう少し広げて地方でもいいと思います。
ネット上で有名な銘柄というのは、人気で買えなかったり、都道府県が違うと取扱している酒屋さんがなくて悶々とする…なんてこともあります。
一方でお住まいの近くの銘柄というのはやはり地元の日本酒なので近くの酒屋さん取り扱いが多く、それを色々試していくだけでも結構な銘柄数があるものです。
その中から好きな銘柄を見つけていくのが楽しいんですよね。
ぼくが福岡に来て好きになった銘柄は、田中六五(福岡)・庭のうぐいす(福岡)・若波(福岡)・山の壽(福岡)・鍋島(佐賀)・ちえびじん(大分)・六十餘洲(長崎)・花の香(熊本)などなど、数えられないほどあります。
自分の住んでいる土地で好きな銘柄を見つけられると、例えば県外の日本酒好きの方と話をするときや、県外の方にプレゼントするときなど、様々な場面で自分とゆかりのある日本酒の話ができたりします。
色々ありすぎて選べないという方こそ、ぜひご自身の近くにある美味しい日本酒を発見してみてください。
季節で選んで日本酒を楽しむ
日本酒にも季節の銘柄があります。
季節に沿ってその時期の旬の日本酒を選ぶのも季節を感じられて楽しい方法です。
年間のスケジュールを簡単に書くとこんな感じです。
- 11月〜3月:新酒
- 4月:花見酒
- 5月〜8月:夏酒
- 9月〜10月:ひやおろし
新酒はその年度の最初の搾りたてのフレッシュな日本酒を楽しむことができます。
おりがらみの少し濁ったタイプの日本酒など新酒の季節ならではの日本酒が楽しめます。
年末年始あたりが一番いろんな酒蔵さんから新酒が出てくるので、飲み比べるのも楽しいですね。
4月はお花見の季節ということで桜に合わせたピンク色の日本酒なども出てきます。
また、春っぽい少し香りが華やかなタイプや春らしいラベルの銘柄なども出てきたりします。
そしてそれが過ぎると夏のお酒が出てきます。
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「夏酒」というものに明確な定義はないので、酒蔵がぼくたちに飲んで欲しいと思った味わいの日本酒を出されています。
暑い時期にさっぱり爽やかに飲んで欲しいと造られたもの、ガツンとガッツリスタミナ飯に合わせたしっかりした味わいで造られたものなど様々な種類があります。
その違いを飲み比べるのも面白いですね!
見た目には涼しげな青色のボトルや水色のラベルなどが多くなりますので、見た目に涼むのも楽しいです。
そして新酒から1年ほど経った秋にはひやおろしが出てきます。
夏を超えて熟成させた日本酒が出てくるので、新酒に比べて旨味が乗ってきていて、食欲の秋の食材にピッタリの味わいになっています。
ひやおろしも最近では”秋の日本酒”という意味合いになってきていて、それぞれの酒蔵で味わいが様々なので、同じ酒蔵さんの通年で出されている銘柄とひやおろしで飲み比べとかもやってみてください。
他にもバレンタインやハロウィン、クリスマスといったイベントに合わせた銘柄もあります。
季節に合わせて日本酒を選ぶという楽しみ方もやってみてください!
視覚的に選んで日本酒を楽しむ
日本酒を見た目で楽しむって考えたことありますか?
もちろん味わいで美味しいのが一番なのですが、見た目で選ぶのも楽しいです。
最近はデザインがオシャレなものやかわいいものなども出てきています。
以前Instagramでラベルがかわいい日本酒をいくつかご紹介したのですが、色とりどりのラベルだったり、キャラクターがいるラベルだったりといろんなパターンがあります。
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酒屋さんで並んでいる日本酒の中でも「これかわいい〜」「これオシャレ!」と目についた銘柄を買ってみてください。
もちろん飲んでみると「ちょっと好みとは違ったな〜」というものもありますが、結構見た目の第一印象で買ってみると、思ってもみないいい出会いがあったりします。
ぜひ試してみてください!
飲み方を変えて楽しむ(お酒が弱い方向け)
最後の日本酒のご紹介の楽しみ方として、特にお酒が弱い方におすすめなのが、飲み方を変えて楽しむという方法です。
日本酒ってそのままグラスに注いで味わうものだと思っていませんか?
実はそんなことは全然ありません。
確かにそのまま飲むことが多いですが、実際は日本酒ってアルコール度数が16度もあり、お酒の中でも結構アルコール度数が高いんです。
- ワイン:14%
- ビール:5%
- シードル:2~8%
お酒が弱い方はアルコールのツーンとする感じがキツくて飲めなかったり、すぐ酔ってしまうから避けているという方もいるのではないでしょうか?
そんな方にはいつも日本酒を割って飲む方法をお勧めしています。
日本酒の割り方で代表的なのは以下です。
- 炭酸割り:スッキリ爽やかに
- 水割り(差し水):まろやかに
- ロック:ゆっくり楽しむ
- ジュース:カクテルのように楽しむ
特に炭酸割りや水割りはアルコール度数を低くできるのでツーンとしたアルコール感が減り、かなり飲みやすくなります。
ぼくは炭酸割りが好きでよく飲むのですが、その場合は日本酒の銘柄は結構しっかり甘味があったりフルーティーな香りがあるものを選びます。
そして日本酒と炭酸を1:1、もしくは少し日本酒を多めに入れて飲みます。
セブンイレブンなどで売っている冷凍レモンをグラスに入れたりしてさらに飲み口爽やかにして楽しんだりもしています。
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あとは上記以外にもコーヒー氷を作ってそこに日本酒を入れてコーヒーカクテルにするという飲み方もあります。
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これが意外と合うんです!
お酒が好きな方でコーヒーも好きな方って結構いると思うのですが、ぜひあなたがそうだという場合は試してみてください。
コーヒーの種類や日本酒の種類を変えれば組み合わせは無限です。
冷酒ばかりお話してきましたが、熱燗のアレンジもあります。
松の司を造っている松瀬酒造の杜氏・石田さんに教えていただいた「ゆず燗」です。
こちらはゆずの皮を少しだけ切っておちょこに入れ、そこに熱燗を注ぐ方法ですが、熱燗の熱でゆずの香りが本当にいい香りで、おいしいんです。
ゆず燗は実際のアルコール度数というよりは飲んだときの味わいが変化する飲み方です。
もしアルコール感が気になる方は差し水(少し水を入れる)をして熱燗をしていただけるとアルコール度数も下げることができます。
飲み方のアレンジは色々好きに試して楽しんでいただければと思います。
あなた自身だけでなく、もし周りで「日本酒はアルコール感が苦手」だったり「酔いすぎるから飲まない」と言われる方がいたら、ぜひ割って飲んだり飲み方を変えてみるという方法を教えてあげて、一緒に日本酒を楽しんでください!
【楽しむために大事なこと】自分の好きな味を見つける方法
ここまで日本酒の楽しみ方をご紹介してきました。
最後になりましたが、楽しむために大前提として大事な「自分の好きな味を見つける方法」をお話ししたいと思います。
色々楽しむ方法はありますが、より楽しいのはやっぱり自分の好きな味を見つけることが重要になります。
そこで自分の好きな味を見つけるときのちょっとしたコツをご紹介します。
抽象的でもいいから一度飲んで美味しかった日本酒のポイントを覚えておく
もし日本酒を飲んだことがあって、「これは美味しい!」「これはもっと飲みたい!」と思った銘柄があったら、その銘柄のワンポイントを覚えておいてください。
もちろん銘柄を細かく覚えていただいてもいいのですが、なかなか日本酒って銘柄数が多いので、酒屋さんや飲食店の店員さんが銘柄を知らないことはよくあります。
なので銘柄も覚えておいて欲しいですが、それ以上に日本酒の特徴をワンポイントでいいので覚えておくと、とても日本酒を探しやすくなります。
例えば
- めっちゃ甘い感じ
- 柑橘系の香り
- 旨味がどっしり
- 後味すっきり
- お米感が好き
など、どういう感じがよかったのか、抽象的でもいいのでポイントを覚えておいてください。
好きな日本酒で覚えてもらうのもいいですし、もっといいのは苦手な日本酒の味わいも一緒に覚えておくとさらに自分の好きな味わいにたどり着きやすくなります。
ここで注意していただきたいのが、”辛口”や”甘口”という表現です。
- 辛口の日本酒ください
- 甘口の日本酒ください
特に「辛口」という表現ですが、実は“辛口”と言ってもかなり味わいの幅って広いんです。
例えば
- 香りは華やかだけどアルコール感が強くて”辛口”と感じる
- 酸味が強くさっぱりしているから”辛口”と感じる
- 旨味どっしりだけど後味のさっぱりさで”辛口”と感じる
といったように、実は“辛口”という言葉だけで伝えると自分にとっての好みに辿り着けないことが多いんです。
なので、”辛口”や”甘口”ではなく、「〜な香り」とか「〜な味」といった味わいのポイントを覚えておきましょう。
日本酒のタイプで分類して覚えておく
まず最初に日本酒にはどんなタイプがあるのかを知っておくことで、後から自分の好きな日本酒の味わいってこの辺だなとわかりやすくなります。
このタイプというのは「料理と合わせて日本酒を楽しむ」の章でお伝えした「モダン・クラシック」「ライト・リッチ」という分け方です。
組み合わせると「モダンライト」「モダンリッチ」「クラシックライト」「クラシックリッチ」という4つの分類になります。
要冷蔵(生酒、一回火入れ)か常温保存できるか、味わいが軽いか重いかというだけの専門用語なしで分けられるので、自分の中でも簡単に分類して覚えられます。
これは正解とかはなく、あくまでも自分の中でのタイプの基準として持っていると日本酒が選びやすくなるというお話なので、自分で感じた味わいをもとに覚えていただければいいと思います。
例えばぼくの好きな日本酒の一部で分類してみると、以下のような分類になります。
- モダンライト:田中六五・みむろ杉
- モダンリッチ:鳳凰美田・風の森・新政
- クラシックライト:出雲富士・松の司
- クラシックリッチ:独楽蔵・菊姫・七本槍
細かい銘柄名は省かせてもらったのですが、味わいでこのように分類していっています。
この分類は福岡の住吉酒販さんが難しい専門用語などなくイメージを伝えられるように提案されている分類で、聞いた時にとてもわかりやすかったので、それ以降ずっとこのタイプ分けをお伝えしています。
他の銘柄など気になる方は、住吉酒販のオンラインストアは全てモダン/クラシック、ライト/リッチで分類されているので、ご自身の好きな銘柄がどんな分類になっているのか見てみてください。
この4つの分類について図を使って詳しく説明しているので、こちらの動画も見てみてください。
酒屋さんや飲食店の専門家に聞く
日本酒の味わいのポイントを覚えておき、日本酒の好きなタイプを頭に入れたら、その味わいを専門家に伝えて選んでもらいましょう。
どうしても最初は自分でも好きな味わいの定義が曖昧です。
なので正直に好きなタイプ、苦手なタイプを抽象的でもいいので伝えてみましょう!
そうすれば色々提案して一緒に選んでくれます。
そして選んでもらった日本酒を飲んでみて、感じたことを飲食店だったら次の注文の時、酒屋さんだったら次に行った時に感想を共有してください。
ここで気を遣って「美味しかった」という必要はないです。
好きだったからそれに似たような銘柄が飲みたければ「これに似た銘柄をください」、苦手だった場合は「ちょっと〇〇が苦手でした」とか具体的に感想を言ってください。
専門家も正直に感想を言われる方がその人の味わいの好みを把握しやすくなるので、より自分にとって理想的な日本酒を提案をしてくれます。
そうやってどんどん好みに近づけていくイメージです。
これを繰り返していくと、好きな銘柄が増えてどんどん広がっていきます。
ぼくも今でも知らない銘柄はたくさんあるので、酒屋さんや飲食店さんでお話しながら選んでもらっています。
もちろんぼくも唎酒師として色々と勉強しながら味わっているので、ご相談があればSNS等でご相談いただいても構いません。
自分の好みの感覚と似ているなというSNSなどで日本酒について発信している方を見つけるというのもいい方法だと思います。
自分のこれだという好みの味わいが見つかるまで、専門家にどんどん聞いてみてください。
飲み比べをたくさん試してみる
一番好きな日本酒に出会う確率が高くなるのは、色々な種類をたくさん飲んでみることです。
先ほど専門家に聞くと言いましたが、色々話をしていってどんどん飲み比べてみてください。
絶対にどこかにあなたの好みにドンピシャの銘柄があると思っています。
もちろん話を聞きながら選んでもらっていても、苦手な銘柄に当たることもありますが、反対にめっちゃ美味しいと思う銘柄も存在しています。
いきなりその銘柄に出会えないかもしれませんが、専門家に聞きながらたくさん試してみてもらいたいんです。
なかなか4合瓶を買って飲み比べるのは大変だという方は、最初は飲み比べセットや色々な銘柄を取り揃えている飲食店、日本酒バーに行ってもらうのがいいです。
飲食店に行けないという方は、酒屋さんでしっかり店員さんと会話して好みを一緒に探してもらってください。
SNSなどで情報を集めて人気な銘柄を飲んでみたいと思われる方も多いと思いますが、「人気=あなたの美味しいと思う味わい」ではありません。
周りのことは気にせず、”自分の好きな日本酒”をぜひマイペースで楽しんで、お気に入りを見つけてください!
お気に入りの一本さえ見つかれば、そこからの日本酒選びはめちゃくちゃ簡単になって、飲める銘柄も広がって楽しくなります。
一つの好きだった銘柄から他の日本酒を探せるように、その味わいに似ている日本酒の銘柄をまとめてご紹介しています。
次の日本酒選びの参考にどうぞ!
好きな日本酒の味わいに出会うための方法を4つに分けてご紹介しました。
どこからでもいいので試してみて、ご自身の好きな味わいの日本酒をまずは1本探してみてください。
日本酒の楽しみはたくさんある!自分の好きな飲み方を見つけて楽しむ
かなり長文になりましたが、ぼくが日本酒を楽しむために色々と試してきた中で、まずは試していただきたい方法を書かせていただきました。
日本酒の楽しみ方は今回書いたものだけでなく、もっと色々な方法があります。
味だけでなく、お店の雰囲気や音楽と楽しむなど、全然お酒とは関係ないものとの組み合わせで楽しんだり、日本酒だけでなく他のお酒も含めてお酒が好きな方同士で色々なお酒の話を楽しむなど、方法はたくさんあります。
楽しみ方に正解などはありませんので、今回ご紹介した中で気になるものは試していただき、ご自身のお気に入りの楽しみ方を少しずつ探していってください!
今回の記事だけでなく、音声配信やYouTube、各種SNSでも日本酒の楽しみ方や銘柄紹介などもしています。
ぜひそちらも遊びに来てください。
また、ビール・ワイン・ウイスキー・日本酒のスペシャリストでお酒のコミュニティー「サカラバ」を運営しております。(参加無料・Discordというチャットアプリを使用)
そちらでは知識や飲める量など関係なく、お酒好きな方々と毎日の”おいしい!”を気軽に共有する、心温かい方ばかりのコミュニティーになっておりますので、ご興味あればご参加ください。
今回の記事が少しでも皆様の楽しい日本酒ライフの参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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