日本では酒税法で禁止されていますが、海外ではその法律がなく、昔ながらの製法でどぶろくが作れます。
今回は日本酒の知識として実際の作り方も含めて、どぶろくについてまたまたオーストラリアのメルボルン在住ライターSさんにお願いして書いてもらいました!
以前の記事はこちら↓
日本で一般人の酒造りは禁止!オーストラリアでのどぶろく作り
オーストラリアのメルボルン在住ライターのSです。
日本では酒税法の関係で、個人が酒造りをすることは禁じられているようですが、ここオーストラリアではそのような法律がないので、酒造りも自由。趣味でビールやサイダーなどを醸造している人々もたくさんいます。
私もここオーストラリアで酒(どぶろく)を趣味で作っています。
ちなみにどぶろくの定義は以下のとおり。
どぶろく(濁酒、濁醪)とは、発酵させただけの白く濁った酒。もろみ酒、濁り酒などと呼ばれ、炊いた米に、米こうじや酒粕に残る酵母などを加えて発酵させることによって造られる日本酒(清酒)の原型である。
出典:Wikipedia
日本における日本酒づくりの歴史の分だけ、どぶろくの作りかたも様々あります。
今回は、もっとも手軽に、7日〜10日程度で出来上がるどぶろくの作りかたをご紹介したいと思います。
材料
- 炊いたご飯 1kg
- 米麹 500g
- 水 1リットル
- ヨーグルト 小さじ1
- イースト 大さじ1(パン作り用として販売されている酵母でOKです)
作り方
①イースト以外の材料をすべて、熱湯消毒をした清潔なガラス瓶に入れ、よく撹拌します。そのまま一晩おきます。
この時は、蓋で密閉して構いません。
ヨーグルトは、乳酸菌発酵を促すために使用します。
伝統的な方法では、生米を水に漬けて数日置くなどして乳酸菌を発生させますが、手間と日数がかかりますので、ここではヨーグルトを使用します。
②翌日、イーストを入れ、さらによく撹拌します。
この後、発酵がさかんに行われるため、蓋は密閉せずに、清潔なガーゼなどでガラス瓶に口をして、輪ゴムなどで固定します。
ここで密閉してしまうと、ガラス瓶から溢れ出すことがあるのでかならず空気の逃げ道をつくりましょう。
③一日に1〜2度、撹拌して、およそ1週間〜10日ほどで完成です。1週間ほど経った頃に味見をして、お好みの味になるまで様子を見ましょう。
※4,5日経つと、次第に酒の部分と粕とが分離してきます。
④お好みの味に仕上がったら、材料を濾します。清潔なコットンガーゼか、麻の布がオススメです。また袋状になっていると、作業が簡単です。
ここで絞ったカスが、“酒粕”です。粕汁をはじめとしたお料理に大活躍です。
また、野菜や魚などを漬ける漬け床としても、重宝します。
なお、材料の炊いたお米に関しては、白米、玄米のいずれでもOKで、仕上がりの味のお好みによります。
玄米を使用すると発酵熱が高いので、白米に比べると早めに引き上げたほうがよいかもしれません。
ご自身のお好みの味を見つけてみてください。
私個人の経験では、この方法を使って玄米でどぶろくを作ると、白米よりも少し酸味の強い味になるようなので、白米を使用した時のほうが甘さが感じられ、飲みやすいと思います。
また、絞った後も日にちが経過すると味も変化するので、ご自身のお好みを見つけながら、変化を楽しみましょう。
どぶろくの健康効果!乳酸菌や酵母の力で美肌を保つ
絞って加熱をしていないどぶろくは、乳酸菌や麹菌、また酵母を生きたまま含むので、様々な健康効果が期待できます。
また、美肌を保つにも最高のドリンクです。
絞ったあとの酒粕は冷蔵庫で保管し、1ヶ月程度を目安に使い切りましょう。
何より、自分でつくった酒を頂くなんて、最高の贅沢ですよね。
昔は日本のどこの家庭でもどぶろくを作って、それぞれの家庭の味を楽しんでいたという歴史があります。
酒税法の関係で現在の日本ではなかなか見られない光景かもしれませんが、日本人としては大切にしたい素晴らしい文化だと思います。
今回の話はあくまで知識としての紹介ですので決してご自分で作らないように!
日本でどぶろくを楽しむにはどうすればいい?
もちろん自分では作れませんが、日本では様々な酒造でどぶろくを作って売られています。
その中でも渡辺酒造の「飛騨のどぶ」は全国的にも有名などぶろくです。
渡辺酒造はANA国際線のファーストクラスに採用された蓬莱という銘柄を造っている酒造で、最近では「君の名は。」の映画に登場した口噛み酒を模した「聖地の酒」がとても人気で話題となりました。
さらにモンドセレクションで12年連続で金賞を受賞している蔵で、確かな日本酒の実力と常識に縛られないアイデアがとても面白い酒造です。
この渡辺酒造で造られたどぶろくが「飛騨のどぶ」です。
濃厚な濁り酒と思ってもらうといいと思いますが、微炭酸な感じや米のツブツブ感はかなり控え目ですが、米の甘みや旨味がしっかり凝縮されたどぶろくでとても飲みやすいです。
少しアルコール度数は高いので、ロックや炭酸水で割って飲むのも少し違った楽しみ方ができます。
元々はどぶろくの聖地と言われる飛騨でしか購入することができなかったのですが、進化する渡辺酒造らしく、インターネットでの販売も解禁されました。
酵母や乳酸菌などが含まれて美容にも良いどぶろくが気になる方は、1本1000円程度なのでお口に合うか一度試してみてください。
甘口系の日本酒がお好きな方は結構どぶろくにハマる方が多いです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
どぶろくとはなんだという方も多かったと思いますが、日本酒の原型でありとても歴史が長い飲み物なので、日本人としても一度は味わって見てください。
意外とハマります。
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