日本酒を造る原料となる酒米ですが、一般の食用米とどれくらいの値段差があるかご存知でしょうか?
一般にスーパーなどに売っている10kgのお米だと3000円くらいだと思います。
では酒米の場合、種類にも寄りますが高いものだと1kg1000円以上します。それほど高価な酒米ですが、仕込むためには当然それなりの量が必要になります。
そうなれば1種類の日本酒を造るのに一体いくらかかるのか想像できるかと思います。
日本酒は中々に高価なアルコール飲料です。
そんな酒米ですが、酒米の中でも一番高い種類があります。
それが今回ご紹介する「愛山」というお米です。
酒米の違いから見るおすすめの日本酒!酒米のダイヤモンド〜愛山〜
愛山は元々は兵庫県原産で、戦後は廃れかけましたが、スーパーでよく見る銘柄「剣菱」を造っている剣菱酒造が、農家との契約栽培によって愛山を作らなくなることはありませんでした。
その後、山形県の十四代が愛山を使ったことで、徐々に人気が出始めて今に至ります。
多くの酒蔵では、ワンランク上の純米吟醸のような位置づけで、一升で4000円程度する値段が多いのですが、「愛山なら買う。愛山だから買う」という人がいるほどファンが多く人気がある酒米の一つでもあります。
チャーミングな美人!愛山を使った日本酒の味わい
愛山のお酒を表現するのに「チャーミングな美人」なんて言う人がいます。
他の酒米とは違った綺麗でジューシーな味わいが出たりする酒米なので、そう思う人がいるみたいです。
似たようなジューシーさを出せる雄町米と似ているところがあるので、雄町のお酒が好きな人は愛山が好きな人が多いです。
また味わいを強く出そうと思えば、米らしい穀物感を感じるようにも出来るので、酒蔵の造り方によっては同じ愛山でも差が出てきます。
多くの酒蔵の傾向だと純米吟醸以上での造りが多く、精米歩合も50%位まで削った日本酒が多いです。
愛山を使った日本酒紹介!全国の有名銘柄5選
値段が高価なせいと元々の生産量が少ないということで、愛山をメインに使っているという酒蔵はほとんどありません。
逆に言えば、全国多くの蔵がラインナップの一つに愛山の日本酒があるという具合です。
そこそこ名の通った銘柄ならば、愛山のお酒を造っているので、自分の好みに合わせて探してみるのも面白いのではないでしょうか。
三井の寿 純米大吟醸 愛山(福岡県)
写真出典:さくらもと商店より
イベントにも多く出ている、三井の寿の愛山の純米大吟醸。
綺麗な愛山の日本酒らしい、スッキリとしてほど良い酸味が感じられて誰にでも好まれる味わいです。
風味はやや甘く、軽く冷やして飲むがおすすめです。
開運 純米 愛山(静岡県)
静岡の辛口酒として有名な開運の愛山。
辛口の愛山というだけあって、後切れでは愛山随一ではないでしょうか。
風味は辛口で、香りは主張し過ぎない静岡酒らしい愛山です。
お好みで軽く冷やして飲むのがおススメです。
三千櫻(岐阜県)
全国でも珍しい、蔵の最高級品が愛山という三千櫻。
愛山らしい綺麗なスッキリさを表現するのではなく、米の味わいを最大限に出すような味わいは他の酒蔵の愛山とは一味違います。
また、袋吊るしの愛山や瓶内二次発酵のスパークリングの愛山、ひやおろしまでが愛山という、愛山のラインナップがとても多いのが特徴です。
どれも原酒の日本酒なので、愛山好きならば一度は飲んでほしい銘柄です。
Takachiyo AIMACHIとAI-IPPON(新潟県)
これまでの愛山を使った日本酒という概念を覆す、愛山と別のお米を掛け合わせた日本酒を造りあげたTakachiyo。
別の酒米を色々と混ぜ合わせた日本酒は多くありますが、愛山との掛け合わせは前代未聞です。
写真は愛山と雄町ですが、愛山と一本〆というのもあります。
新しい発想と、徹底したコンセプトが新しい味わいを生み出しています。
風味は甘く香りも甘く若者に好まれそうな華やかな生原酒です。
冷やしてワイングラスなどで飲むのがおススメです。
いかがでしたでしょうか?
生産量の低さと高価な価格から、「酒米のダイヤモンド」などの表現が使われますが、愛山は育成が難しい酒米で、作るのが大変というのも希少な酒米になっている要因でもあります。
育成が難しい酒米で、もっと簡単で収量も確保出来るものに、とって代わられて無くなったというのは酒米の世界では結構多くあるようです。
逆に、今では都道府県に地元の酒米というのが数多く出てきていて、無くなるものもあれば、新しく生まれてくる酒米も増えています。
それでも昔からあるお米の日本酒が、この時代でもファンが多いというのは嬉しいことだと思います。
愛山の日本酒を見かけたら是非飲んでみて下さい。
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