今の日本では一年中行事があります。
年始はお正月、新年会、母の日、父の日、勤労感謝の日、敬老の日、年末になればクリスマスや忘年会などなど。
お酒飲む機会も多くなり、行事によってはクリスマスプレゼントやお祝い行事のお土産を選ばないといけないシーンが増えるのではないでしょうか?
そんな時、「日本酒ギフト」を選ぶのはいかがですか?
価格もワインなどに比べるとお手軽な価格で手に入ることもあり、パーティーのお土産やプレゼントとしてもとてもおすすめです。
海外でも注目されている日本酒。
ニューヨークでは少し前までワインを飲みながらフレンチを食べるのがステータスだったのに、最近では日本酒を飲みながら和食を嗜むのが最高のステータスになっているそうです。
今回は唎酒師兼日本酒ナビゲーターとして日本酒を広めるべく、お祝いごとの知識も深めつつ、お祝いごとやプレゼントにぴったりの日本酒をご提案したいと思います。
年末年始は日本酒の新酒が出る時期
日本酒にも季節があります。
お米を収穫してから酒造りに入るため、お酒作りはだいたい10月ごろから始まり、ちょうど年末年始の12月〜1月の時期にしぼりたてや新酒といった日本酒が出始めます。
しぼりたてや新酒は新鮮な風味が残っているので、とても爽やかな印象の日本酒がたくさん出てきます。
通常7月から翌年6月までで区分けされる期間を「酒造年度(BY = Brewer Year)」と言い、その酒造年度内に出荷されたものを新酒と位置付けています。
6月ごろまでは新酒が売られているのですが、特に10月から作った出来立てしぼりたてがいち早く飲めるのが年末年始の時期になるということです。
ヴォジョレーヌーヴォーならぬ日本酒ヌーヴォーですね。
お正月や新年会、クリスマスなどの時期には新酒を選ぶのがおすすめです。
5月からは生酒(なまざけ)
新酒がたくさん出てくる時期が終わり、丁度母の日や父の日の時期にちらほら出てくるのが生酒です。
通常日本酒が出来上がった後は醪(もろみ)を絞ってろ過してから、まず貯蔵前に一回、そして瓶詰めをした後にもう一回の計二回火入れという作業を行います。
これは菌がそれ以上発酵して味が変わってしまうのを防いだり、別の菌の繁殖を防ぐためでもあります。
一方、この火入れを一切せずに販売されるのが生酒になります。
熱処理をしていないので味の変化等を防ぐために冷蔵保存しなければいけないというのが少し注意しなければいけませんが、火入れせず酵母などがそのままの状態で飲むことができます。
新酒よりもこの時期になると熟成されてよりまろやかに、そして火入れをしていない分酵母の働きで旨味がしっかりした日本酒を味わうことができます。
秋の季節はひやおろし
夏の生酒から熟成されて更に旨味がのってくるのが秋の時期の「ひやおろし」の日本酒です。
貯蔵前の一回のみ火入れした状態で半年以上熟成され、そのまま二回めの火入れをせずに出荷されるのが秋限定のひやおろしです。
「ひや=生」のまま「卸す=出荷する」という意味です。
食欲の秋と言われるシーズンにぴったりの旨味の多い日本酒なので、お料理との組み合わせ(マリアージュ)を楽しんでください。
1年中同じ定番の日本酒ももちろんいいのですが、せっかくお祝いやプレゼントに選ぶ「日本酒ギフト」であればその季節にあったものを選びましょう!
【唎酒師推薦】プレゼントやお祝いで喜ばれるおすすめ日本酒9選
前置きが長くなってしまいましたが、プレゼントやお祝いにおすすめの銘柄をイベント別にご紹介していきましょう。
お正月
お正月といえば年明けでとてもおめでたい日なので金色で華やかな印象や、干支といったものを思い浮かべるのではないでしょうか。
そんなイメージにぴったりの日本酒を2つご紹介します。
噴井 大吟醸 干支ボトル 白竹酒器セット
ファーストクラスでも提供される日本酒「噴井」の干支ボトルセット。
ファーストクラスでも提供されるだけあって、とても落ち着いていながらも華やかな印象を受けます。
白竹の酒器がより一層和の雰囲気を引き立て、黒で大人の雰囲気がありながらも金色のラベルがあしらわれており、お正月という日本のお祝いの席にぴったりです。
高級感はありますが、干支の戌のイラストが可愛いですね。
オンライン限定販売のようなので、売り切れる前にチェックして下さいね。
【高島屋オンライン】噴井 大吟醸 干支ボトル 白竹酒器セット
純米酒 干支壷<戊戌>
玄関に飾っておけそうな入れ物に入っている若戒酒造の純米酒 干支壷<戊戌>。
三重県の伊賀市にある若戎酒造で作られており、有名な銘柄に義左衛門という日本酒がありますが、とても飲みやすい日本酒を作られる酒造です。
元旦の朝、おめでたい干支の形の壺から注いだ芳醇な香りのする美味しい日本酒を家族で飲めば、来年一年間仲良く笑顔で過ごすことができそうですね。
お酒がなくなっても、容器はしばらくは飾って華やかなお正月気分を長く楽しむことができるので一石二鳥です。
母の日、父の日
この時期は生酒がおすすめの時期と言いましたが、季節によって色々な日本酒を発売している酒造がいくつかあります。
そこから母の日(5月13日)や父の日(6月17日)にぴったりの銘柄をいくつかご紹介します。
冩楽(しゃらく)
福島県の宮泉銘醸株式会社で造られる冩楽はとてもフルーティーで爽やかなものが多い銘柄です。
初心者の方や女性の方にも誰でも飲みやすいと言われるおすすめの日本酒です。
この酒造でははぼ毎月違った日本酒を発売しており、4月は「純米吟醸 備前雄町 生酒」、5月は「純米吟醸 夏吟うすにごり」、6月は「純米吟醸 播州愛山」といった種類が発売されます。
備前雄町はどちらかというと香りがあって少ししっかりした味の日本酒、夏吟うすにごりは名前の雰囲気からもわかりますが、初夏に飲みたくなるようなすっきりとした酸味と果実の香りがする日本酒です。
播州愛山は希少種の手に入りにくい愛山を使ったこちらも果実の香りがとてもいい香りで美味しい日本酒です。
而今(じこん)
三重県の木屋正酒造合資会社で造られている而今は「幻の日本酒」と言われるぐらいとても入手が難しい日本酒です。
その香りはとてもフルーティーでこちらの日本酒も誰が飲んでも美味しいという銘柄で、全国の日本酒ファンの中でもとても人気です。
こちらは通常品として純米大吟醸、純米吟醸山田錦、純米吟醸備前雄町、特別純米の4種類あります。
それ以外に毎月違った酒米で造られており、その季節によってどんな銘柄に出会えるかわからないのもこの銘柄の面白いところです。
ぜひ、その時見つかった而今をプレゼントされるというのもいいと思います。
上記の2つの銘柄以外では、例えば誰もが知っている超有名銘柄をプレゼントされるのも「飲んでみたかった」と喜ばれるかもしれませんね。
超有名銘柄はこちらの記事にまとめています。
日本酒有名銘柄を見てみよう!久保田・八海山・獺祭・黒龍・鍋島
クリスマス・クリスマスプレゼント
クリスマスといえば思い浮かぶのは雪やサンタ、おしゃれな雰囲気、賑やかなパーティーなどではないでしょうか。
そんなイメージにぴったりの日本酒を4つご紹介します。
仙禽 雪だるま(しぼりたて活性にごり酒)
クリスマスにぴったりのかわいい雪だるまのラベルの仙禽です。
日本酒に見えないデザインなので、どんなシーンでも持っていけますし、驚かれること間違い無いと思います。
にごり酒なので揺らすとおりがまるで白く雪のようにゆらゆら揺れますので、冬の景色を思い出させてくれて、雪だるまとの組み合わせでより一層クリスマス感を演出してくれています。
しぼりたてということもあり発泡した感じが、スパークリングワインのようにパーティーの乾杯などでもぴったりでは無いでしょうか。(※開栓時注意!)
アルコールも低めなので女性や日本酒初心者の方などどんな方にも楽しんでいただける日本酒だと思います。
仙禽は私のお気に入りベスト3に入る銘柄なので、そういった意味でもおすすめしたい1本です。
見た目の可愛さや飲みやすさからも女性へのプレゼントや女性の集まるパーティーにおすすめです。
たかちよ 緑 しぼりたて生原酒
ひらがな「たかちよ」の文字と綺麗な緑色がかわいいラベルのたかちよのしぼりたて生原酒です。
こちたの日本酒は何と言っても見た目がかわいいことで有名です。
しかし、それだけではなくしっかりと中身もこだわって作られた日本酒ですので、プレゼントとして持っていってもハズレはありません。
少し柑橘系の香りのする爽やかでフレッシュな日本酒なので、こちらも誰でも飲みやすい日本酒なのでプレゼントなどに最適です。
パーティーなどではインスタ映え間違いなしで、女性へのプレゼントにおすすめです。
たかちよの紹介記事も興味があれば覗いてみて下さい。
噴井(ふきい) 大吟醸 クリスマス猪口付セット
クリスマスらしいラベルがあしらわれた大吟醸クリスマス猪口付きセット。
噴井はJALのファーストクラスでも提供される、とても上品で高級感のある日本酒です。
今回ご紹介するクリスマスセットはよく見る日本酒の4合瓶や一升瓶ではなく、おしゃれな青色で丸い瓶がとてもかわいいので、飲んだ後も花瓶やインテリアとしても使えそうです。
また、セットで同じ青色のお猪口がついているので、大人っぽい青色の見た目を楽しんで、更にお猪口で日本酒を楽しむ雰囲気を作り出すことができます。
まさに見て良し、飲んで良しの日本酒で、値段も2,300円と少し上がるので、年上の方向けのプレゼントにぴったりです。
ファーストクラスに乗った気分を味わえるかもしれませんね。
【高島屋オンライン】大吟醸2008酒造年度クリスマス猪口付セット
クリスマス日本酒セット
山形の老舗酒造加藤嘉八郎酒造のクリスマスラベルの日本酒セットです。
サンタとプレゼントがかわいいラベルのついた日本酒で、見た目は少しワインに近いようなおしゃれな雰囲気もあります。
大山という銘柄が有名な酒造で、どちらかというと淡麗辛口が多いですが、今回はその中でも純米吟醸酒と特別純米酒なので香りの違い、お米の旨味の感じ方の違いを飲み比べることができるお得なセットだと思います。
みんなで集まって、または彼氏・彼女と「どっちが吟醸でしょう?」みたいな利き酒ゲームで盛り上がるのも楽しいのでは無いでしょうか。
2本セットなので3,240円ですが、プレゼントとしては結構まだまだお手頃な価格です。
先ほどのように飲み比べてみんなで盛り上がる時に持っていくのがおすすめです。
クリスマスの時期にしか楽しめないデザインであなたも日本酒を楽しんでみてください。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
季節によって違う日本酒を選ぶのも面白いですし、日本酒というと地味な印象や全て同じ印象をお持ちだったかもしれません。
しかし、クリスマスやお正月などはラベルや瓶、酒器などに色々な種類があるということをお分りいただけたと思います。
外見だけでなく中の日本酒の味自体も、季節の移り変わりで変化していくのが特徴の日本酒を持って、イベントの飲み物として、プレゼントとして、お土産として楽しんでみて下さい。
きっと今まで以上に日本酒を好きになっていただけるのではないかと思っております。
唎酒師としてこれからも色々な情報を発信していきますのでご期待ください。
他にもプレゼントにおすすめの日本酒をご紹介していますので、こちらからどうぞ。
豆知識:正月のお屠蘇(とそ)は元々「味醂」を飲んでいた!?
年明け、元旦にお屠蘇を飲むことがあるのではないでしょうか。
お屠蘇とは年中の無病を念じて飲むお酒なので、自分や家族が健康に過ごすことを思いながら飲みましょう。
最近では清酒をそのまま飲むことがよく見られますが、本当は屠蘇散という生薬を清酒に浸して作ります。
生薬としてはみかんの皮やサンショウの実などが入っており、吐き気防止・抗菌作用・健胃効果など体に良い効果がたくさんあります。
また、生薬を浸すのは清酒が多いですが、本来は味醂(みりん)で作って飲むのが正解です。
「味醂って飲めるものなの!?」と驚いているかもしれませんが、味醂も日本酒と同じく発酵して作られていますので飲むことができます。
ただし、スーパーで安くで売られている化学成分で調整された味醂ではなく、日本酒と同じようにお米から手間暇かけて作られた味醂で飲むようにしてください。
そもそも、飲めない味醂を使って料理をするというのはおかしな気がしませんか?
とても良質な味醂として有名なのは「三河みりん」です。
お米から作られているみりんなのでもちろん飲むことができますし、普段のお料理に使うと劇的にお料理の味が変わります。
愛知の方では普通のスーパーでも手に入れることができますし、他県であまりスーパーで見かけたことがないという方でも楽天などで簡単に手に入るので、気になる方はぜひ試してみてください。
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