今も昔も、お米の一大拠点と言えば新潟県で、食用米から酒米まで、お米に関して言えば、まだまだ他の地方よりも一歩抜きん出ています。
そんな新潟県といえば、日本酒ならばやはり久保田や八海山が有名です。
では酒米と言えばどうでしょう。
新潟の酒米で酒米全ての生産量では2001年より前までは第1位につけていた「五百万石」という酒米が有名です。
今では山田錦に生産量は抜かれてしまいましたが、依然として数在る酒米の中ではポピュラーで人気のある新潟の酒米です。
今回は五百万石をご紹介します。
新潟らしいイメージの酒米「五百万石」
今では日本全国色々な地方で、五百万石という酒米は使われていますが、新潟県が原産で作られ各地に普及していったお米なので、新潟の日本酒といえば五百万石というイメージが根強くあります。
20年以上前の淡麗辛口ブームでは、新潟を代表する銘柄、久保田が日本全国で有名になりましたが、久保田が主力に使っている酒米は五百万石でした。
久保田のスッキリとした後味とキレの良さが、新潟の酒=五百万石というイメージに結び付き、今でも五百万石のお酒はスッキリして飲みやすいと思われています。
新潟県内の酒蔵の数は他の都道府県に比べれば多いですが、まだまだ世に出ていない銘柄も多く、一概には言えないのですが、淡麗辛口な新潟酒というイメージはまだまだ大多数です。
最近はそのイメージとは真逆な、濃醇で甘いトロピカルな日本酒も新潟には存在しますが、それでもやはり五百万石を使っている銘柄の新潟の日本酒はスッキリした銘柄が多いです。
本醸造から純米大吟醸まで、懐の深いお米
五百万石はスッキリとした味わいになるお米というのが一般的なイメージになっていますが、幅広い種類の日本酒に使われているお米でもあります。
普通酒から特定名称酒など、安価な日本酒から高級酒まで色々な日本酒に使われています。
この酒米はこの作り方をしなければならないというルールはありませんが、酒米によっては向き不向きがあるものもあり、純米吟醸以外の日本酒はほとんど見ない酒米などもあったりします。
そういった点で言うと、五百万石は広く普及しているからこそ、色々な日本酒を造るのに試された結果、いい意味で様々な日本酒の銘柄が出来上がり幅広いジャンルで使用される酒米になりました。
五百万石を使った日本酒
日本全国の酒蔵に五百万石は使われていますが、やはり多いのは原産地の新潟県です。
一つの時代を築いた日本酒ブランドが多くあります。
久保田
今でも昔でも一番有名な新潟日本酒と言えば「久保田」と言われるほど人気の日本酒です。
定番品の多くが五百万石を使用していて、新潟酒の歴史を作った銘柄と言っても過言ではない一大ブランドです。
昨今は生原酒や色々なシーンでの日本酒の飲み方を提案できる画期的な商品を出したりと、以前のイメージとは違った戦略で展開されていますが、今でも年配の方は正月は久保田を飲むという人が多いのではないでしょうか。
銘柄の全てに寿と言う漢字がつくのでお祝い事やプレゼントにもぴったりの日本酒です。
久保田についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
八海山
新潟清酒では久保田と双璧を成すのが八海山で、「淡麗辛口」と言う日本酒を全国的に広めた銘柄でもあります。
久保田と比べれば、味わいが若干甘めで米らしい旨味があります。
八海山も久保田同様に五百万石を多く使用していて、コシヒカリで有名な南魚沼市に蔵が建てられています。
最近健康的にとても注目を集めている甘酒ですが、八海山でも甘酒を造っており、「全国的にも有名な八海山が造った甘酒」ということでこの商品がブレイクしました。
甘酒は本当に健康にいい効果がたくさんあるので私もとても注目して飲用しています。
甘酒についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
八海山は全国的に有名な銘柄で、こちらの記事でも全国で名の通った有名銘柄の1つとしても紹介しています。
吉野川
久保田・八海山と比べれば、知名度の点で少し見劣りしますが、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
少し大きなスーパーやデパートなどの酒類コーナーでは置いてあるところも多いのですが、上記の二大銘柄とは違った流通の仕方ということであまり全国各地にどこにでも置いているという銘柄ではありません。
吉野川の味わいはスッキリとしながらもしっかりとお米の味のある丁寧な造りの辛口で、五百万石の味の奥にある穀物の風味が感じられます。
最近ではフルーティーな風味の甘口の日本酒が人気になっている中でも、昔ながらの越淡麗なすっきしりた新潟の日本酒を追い求めています。
今も昔も新潟の日本酒と思える、新潟らしい銘柄です。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
有名な酒米なので酒蔵のメインの銘柄に五百万石を使った一本があることがとても多いので、きっと五百万石を使う酒蔵は紹介できないほどあると思います。
長年使われ続け、今も使われている日本酒を造る上で重要な酒米を代表する一品種です。
今の時代は限定品を重要視する見方が多くありますが、五百万石を使った日本酒の多くは定番品や毎年出る季節の日本酒が多い傾向にあり、限定品としてという感じでは使われていないことが多いです。
しかしその分安定した品質、風味を造ることができるというところが広く普及している五百万石のいい所であり、そういった定番酒も知りながら限定品を飲むからこそ日本酒の違いを感じることができます。
他の日本酒の見方がきっと変わってきてより楽しく味わえるようになりますよ。
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