寒い冬にはぴったりの熱燗。
ストーブの上にお湯の入ったヤカンを置いてその中に徳利を入れて温める、なんてことを正月にする人もいるのではないでしょうか。
そんな熱燗ですが大きく分けると7種類あります。
- 日向燗
- 人肌燗
- ぬる燗
- 上燗
- 熱燗
- とびきり燗
- 超飛切燗
それぞれの特徴と、それに合った日本酒、季節をまとめてみました。
お好きな温度で楽しんでみてください。
香りを楽しめる温度はこの2つ!日向燗・人肌燗
日本酒を冷たいままで飲んでもおいしいのですが、少し温めるだけで香りが立ち、また違った良さが出てきます。
そんな冷酒と違った香りを楽しめる熱燗の温度をご紹介します。
- 日向燗(ひなたかん):30℃前後のお酒
夏場の常温とだいたい同じくらいで、器を触っても熱さをほとんど感じません - 人肌燗(ひとはだかん):35℃のお酒)
口の中に入れると温かいと感じる程度の温度
日本酒は温めると麹や酵母の香りが引き立ちます。
このぐらいの温度ではほんの少し香る程度ですので、日本酒の香りが苦手という人も気にならない香りだと思います。
また味の変化もそんなしないでの、甘めの日本酒を人肌燗にしても雑味や辛味が目立つこともありません。
少し肌寒くなってくる夏終わりの夜や秋にオススメな飲み方です。
温まるによって味が辛口になることはほとんどないので、どの種類のお酒にも合います。
吟醸系の香りが良い日本酒だと一層香りを楽しむことができます。
少し肌寒くなってきたらこれで決まり!ぬる燗・上燗・熱燗
「熱燗」といった時に一番スタンダードな温度帯をご紹介します。
日本酒のお米らしさが引き出され、味わいの深みと米のホクホク感が味わえます。
- ぬる燗:40℃のお酒
猫舌な人にとっては少し熱いと感じる温度 - 上燗(じょうかん):45℃のお酒
注ぐと湯気が少し立ち、見た目から温かさを感じる温度 - 熱燗:50℃のお酒
徳利を持つ手が熱いと感じ、徳利の口からも湯気が見えるくらいの温度
このぐらいの温度になると飲んだ時に少し喉がカッと熱く感じる温度です。
より一層香りが強く、味も濃厚に感じます。
特に香りに関しては嗅いだ時の香りだけでなく、口の中に入れた時に広がる風味を味わうことが出来ます。
また温めることで短期熟成され、なめらかな口触りになります。
寒い冬に体を温めるのにピッタリですね。
常温保存できる熟成された日本酒にはオススメですが、生酒などは温め過ぎるとフレッシュ感や香りがなくなってしまうので熱燗には向きません。
キリッとした日本酒好きにオススメ!とびきり燗・超とびきり燗
キリッと(ツーンと)飲みたい!という方におすすめの熱燗の温度をご紹介します。
- とびきり燗:55℃のお酒
徳利を持つことができず、タオルを使わないと持てないほどの熱さ。 - 超飛切燗(ちょうとびきりかん):55℃以上のお酒
このまま飲むというよりは、香りを引き立てて辛く仕上げるため一時的に熱くした日本酒。
お猪口に注いでしばらくしてから飲みます。
基本的に温めるほど香りが強くなり、アルコールが刺激され辛口になります。
ですが60度を超えてしまうとアルコールが刺激されるというよりは蒸発してしまい、味が変わってしまいます。
お店でもこれほど熱い日本酒を提供することは滅多にありませんので、あえて熱めに注文するか自宅で作らないと飲む機会はほとんどないでしょう。
醸造酒の雑味を消してまろやかな日本酒を味わいたい、という人にはピッタリかもしれませんがそれ以外の種類はその味の良さが損なわれてしまう為オススメしません。
「燗」の由来
もともと中国から日本に伝わった当初の「燗」は「くたくたになるまで煮る」というお酒以外ものも指す意味だったのですが、「酒を温める」という日本独自の意味が加わりました。
現在では「器に入った日本酒を温める」という日本酒専用の言葉として使われており、その他で使われることは一切ありません。
「燗」の一文字で温めるという意味を持つので「燗を温める」という表現は間違いで「燗をする」「燗をつける」という言い方が正しい表現です。
おいしさを引き立たせる日本酒の正しい熱燗の作り方
おうちでも簡単に熱燗は作れます。
冷酒で飲む方が多いと思うのですが、一手間かけるだけでまた違った日本酒の良さが味わえるので、ぜひやってみてください!
湯煎で熱燗をつける方法
おすすめの熱燗のつけ方は湯煎でやる方法です。
- 1合徳利に9割ほど日本酒を注ぎ、ラップをする。※ラップをかけるのは日本酒の温めた時に香りを閉じ込める為のものです。
- お鍋に水を入れる。この時、徳利の半分くらいの高さほどの水を入れましょう。
- お鍋のお水だけを火にかけて沸騰したら消します。※間違っても日本酒と一緒に火をかけてはいけません。
- あつあつのお鍋に徳利を入れて2~3分温めれば熱燗の出来上がりです!
温かさには好みがありますが、基本的に長時間お湯につけるのはアルコールが飛んでしまうのでオススメしません。
もしぬる燗にしたい時はぬるいお湯に長時間浸けるのではなく、④の時に1分程度温めるといいでしょう。
電子レンジで熱燗をつける方法
あまりオススメではありませんが、電子レンジでも熱燗を作ることができます。
- 1合徳利に9割ほど日本酒を注ぎ、ラップをする。
- 500Wで40秒間温めれば出来上がり!
電子レンジで温めると徳利の上下や側面と内部で温度の差が出てしまうことが多く、温まりすぎた部分は香りや旨味が思った様にならない場合があります。
電子レンジを使用する場合は温めている時も適度に止めて振ってあげることで、できるだけ全体の温度差が出ないようにしてあげてください。
寒い冬や冷えた体にピッタリな熱燗を是非試してみてください。
さいごに
少し手間がかかってなかなか自宅で熱燗を飲まない、お店でしか注文しないなんて人も多いかもしれません。
ですが日本酒を味わう為のひと手間、と考えれば少しは挑戦するのも悪くないのではないでしょうか。
是非、冷えた体を温める熱燗を試してみてください。
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