2016年の伊勢志摩サミットでは、三重の日本酒が取り上げられました。
各国首脳に様々な場面で紹介された三重の地酒ですが、その中でも一番有名になったのが「作(ざく)」です。
サミット前からジワジワと人気が出ていた銘柄ですが、サミット後には人気が大爆発して、よくメディアに紹介されていました。
一躍有名銘柄になった三重のおすすめの日本酒「作」をご紹介します。
10年前から変わらない!サミット効果で現在最も入手困難な日本酒「作」
三重県鈴鹿市の酒蔵である、清水清三郎商店の代表銘柄の「作(ざく)」。
今でこそ毎年のように、日本酒のコンペで金賞など、どれも上位の賞を取っている銘柄ですが、実際のところは10年前以上から作の美味しさは変わっていなく、当時から今と変わらない完成度のある日本酒でした。
作の特徴の一つに「生酒を造らない」というのがあります。
生酒はどんなに気を使っても品質の劣化が起こる可能性があり、劣化の可能性を無くすにはお酒に火を入れる以外にないという蔵の意向があることを理由に生酒を造っていません。
現在どこの蔵も生酒を造っているのに対して、現在でも作は生酒を造っておらず、新酒も火入れという徹底ぶりです。
ですが、生酒を造らなくても、作は他の銘柄の生酒以上にキレイな火入れの日本酒でした。
初めて飲む人なら冷やして飲むと、生酒かと思ってしまうくらい造り込まれています。
10年以上前の、まだ生酒が一般的でなかった時に、すでに作はここまでの精度にたどり着いたことから、近年もとても人気な銘柄であり続けています。
三重県の日本酒「作 (ざく)」の味わい【定番3種類と他3種類】
作には大きく分けると定番の3種類とそれ以外の3種類があります。
それぞれご紹介します。
定番品シリーズ:恵乃智(めぐみのとも)、玄乃智(げんのとも)、穂乃智(ほのとも)
3つの純米ですが、これはお米と精米歩合は同じで酵母のみ違うという商品でした。
昔は全て純米でしたが、今は恵乃智が純米吟醸になりました。
作の味わいは、風味はやや甘く、果物のような香りと、流れる様なスッキリとした後口が特徴です。
味自体は濃すぎずすっきりとした飲み心地の日本酒です。
飲み方は冷やしても温めても美味しく飲めるので、季節や気分・好みによって飲み方を変えるのがおすすめです。
「恵乃智(めぐみのとも)」「玄乃智(げんのとも)」「穂乃智(ほのとも)」の3つの純米を分かりやすく言えば以下のようになります。
- 恵乃智:香り系
- 玄乃智:旨味系
- 穂乃智:スッキリ系
この違いをそれぞれ酵母による香りだけで出しているというのも、作の凄いところです。
上位のシリーズ:雅乃智(みやびのとも)(純米吟醸)
「雅乃智(みやびのとも)」は、3つの純米のワンランク上の純米吟醸です。
勿論火入れしているのですが、口当たりがとても滑らかで、シルクのような滑らかさと言えるくらいの上品な味わいです。
お米の旨味もしっかりあり、バニラのような風味も感じられます。
ここまでの酒質の滑らかさは、通常だと袋吊るしのような日本酒でないと感じられませんが、作の中では定番品であるというのは驚異的です。
上記の他にも中取りや、近年ではさらに上位の商品やサミットで供された四合瓶で3万円する最高級品など、フラッグシップモデルとも言えるようなシリーズも出てきています。
先日私も買った「槐山一滴水」も高級酒の一瞬ですが、とても上品でフルーティーな味わいで、見た目もかなり渋い上質なラベルでした。
また、これも先日伊勢のお祭り「いただきフェスタ」で日本酒バルが出展されていたのですが、ここでは限定酒の「作 伊勢志摩コンセプト」も堪能できました。
やはり日本酒は「地酒」とも言われるように、造っている地域にはその地域限定酒があるので、それも楽しみの一つですね。
ラベルのデザインにもこだわっている日本酒「作」
定番品ではなく、ごく一部にだけ流通していた特別な「作」がありました。
プロトタイプシリーズとして、定番品の3つの純米と雅乃智の直汲み原酒として「作」を扱う限られた酒販店に、4か月に一回のペースで発売されていました。
一升瓶は普通だったのですが、4合瓶はボルドーワインのボトルをイメージしてデザインされていて、日本酒らしくない格好で人気がありました。
これは蔵の社長さんがデザインを手掛けているらしく、ビジュアルにもこだわった特別な作でもありました。
現在はこのプロトタイプシリーズは終売になり、代わりにインプレッションシリーズとして最近新発売となりました。
そのインプレッションのデザインも特殊なデザインでとてもかっこいいラベルになっています。
インスタグラムなどでも作のインプレッションコレクターがちらほら見られるほど人気で、なかなか手に入りません。
作 (ざく)に合うおつまみ
日本酒にこだわるなら料理やおつまみとのマリアージュも楽しみましょう!
作(ざく)は典型的な薫酒タイプです。
なので、魚介系やわさび系のさっぱりした料理やおつまみに合います。
魚介系の珍味やさっぱり系のおつまみはこちらあたりがおすすめです。
また、香りがとてもいいのでワインとの相性がいいチーズ系とのマリアージュも楽しんでみてください。
チーズは世界の様々なチーズが取り寄せできるこちらが面白くておすすめです。
日本酒ナビゲーターを取るときに経験しましたが、チーズコーディネーターでもある大越先生のこだわりのチーズと日本酒の相性は抜群に良く衝撃的でそれ以来チーズにハマっています。
おわりに
昨今大人気の作は、数年前では普通に特約販売店で買えましたが、伊勢志摩サミット以降は東京の大手酒屋でも在庫が足りていない状態です。
元々、清水清三郎商店は四季醸造で1年中お酒を製造している酒蔵でしたが、それでも足りていない状況です。
入手困難な日本酒銘柄の代表格といえば、十四代や飛露喜などありますが、これらは今では多少無理をすれば手に入るようになりました。
その点、作は四季醸造にも関わらず、製造が足りていないということなので、現在では一番入手が困難な“飲めない日本酒”と言えるかもしれません。
もし飲食店で出会えた時は、是非試して見てください。
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