北海道に日本酒ってあるの?
東北や北陸に比べてあまり「北海道=日本酒」というイメージがないかもしれませんが、北海道には現在11(+1)もの清酒蔵があり、日本酒が造られています。
今回はそんな北海道の日本酒を一気にご紹介したいと思います。
北海道の日本酒の特徴
北海道の豊かな大地と、気候、そして水が生み出すお酒はそれぞれに特徴があり、旨みがありますが、北海道産の清酒の特徴は総じて「端麗辛口」と言われています。
これは、北海道の酒造が製造手法に工夫を凝らし、淡麗で綺麗な味を追究してきたことからそうなったそうです。
最近では北海道産米の品質も向上し、酒米として吟風、きたしずく等が収穫できるようになり、北海道産原料米使用割合が増えてきました。
そのため、最近では端麗辛口以外にも濃厚で芳醇なお酒も見受けられるようになりました。
では早速北海道の清酒蔵全11蔵の銘酒たちを簡単にご紹介していきますので、気になる銘柄をチェックしてみてくださいね。
千歳鶴 - 日本清酒株式会社(札幌市)
代表銘柄は「千歳鶴(ちとせづる)」。
北海道内で広く飲まれ親しまれてるお酒のひとつで、その中でも「北海道限定酒 純米吟醸千歳鶴」は、北海道産米を原料とし、華やかでクリアな味わいです。
明治5年、札幌にて創業した日本清酒株式会社は札幌唯一の酒造蔵元ですが、全国新酒鑑評会でも14年連続金賞受賞を達成し、北海道新酒鑑評会では毎年金賞を受賞、吟醸造りの実力は全国でもトップクラスクラスです。
14年連続というとオリンピック3大会連続以上の偉業ですよね。
それだけの実力を安定して酒造りを続けられるというのはとてもすごいことです。
北海道産原料を生かした酒造りを目指し、道産酒米「吟風」を積極的に使用されています。
また、蔵元直営の「吉翔(きっしょう)」という飲食店がありますので、ぜひそちらにも足を運ばれてはいかがでしょうか。
宝川 - 田中酒造株式会社(小樽市)
代表銘柄「宝川(たからがわ)」。
使用する原料米を100%北海道産米を自慢にしているその中から一つご紹介するのが「純米酒宝川」です。
柔らかな香り、米の旨み豊かですっきりとした口当たりのやや辛口の日本酒で、冷や、常温、ぬる燗、熱燗とオールマイティで楽しむことができます。
明治32>年、小樽にて創業した田中酒造株式会社は、製造場を「亀甲蔵(きっこうぐら)」とし、見学可能な蔵へ改造し、各種試飲も可能で、独自のイベント等も開催しています。
二世古 – 有限会社二世古酒造(倶知安町)
大正5年に倶知安町にて創業した二世古酒造。
ニセコワイス山系の雪清水と羊蹄山からの噴出し湧水を使用した同蔵は、豪雪のかまくら状態の地区にあります。
札幌国税新酒鑑評会純米酒部門で金賞受賞する等、年々評価も上がっている酒造です。
代表銘柄は「二世古(にせこ)」で、その中のひとつ「二世古特別純米彗星」は穏やかなバナナのような香り、甘みと酸味のバランスがきれいにまとまっています。
やや辛口なので、冷やして飲むのがおすすめです。
北の錦 – 小林酒造株式会社(栗山町)
代表銘柄「北の錦(きたのにしき)」は、明治11年、栗山町にて創業した小林酒造株式会社の日本酒です。
「造る人・米・水のすべて北海道」をキャッチフレーズとする同酒造から、「北の錦純米」をご紹介します。
北海道産原料米きたしずく100%で製造した純米酒で、やや甘口なので食中酒に最適な日本酒です。
冷やしてもしくは常温で飲むのがおすすめです。
金滴 - 金滴酒造株式会社(新十津川町)
代表銘柄「金滴(きんてき)」は、豊潤でまろやかな味のお酒です。
金滴を造るのは、明治39年、新十津川町にて創業した金滴酒造株式会社。
ピンネシリ山麓近くを流れる砂金川の水を手ですくい、手からこぼれ落ちる水を見ながら「金の流れの滴」ということから代表銘柄である「金滴(きんてき)」という名を思いついたという由来があります。
そこからのご紹介は、「金滴彗星特別純米」。
北海道産原料米(空知産)「彗星」を100%使用し2年間熟成。ふくらみのある味わいで米の旨みを感じさる辛口の日本酒です。
冷やしてもしくは常温で飲むのがオススメです。
国士無双 – 高砂酒造株式会社(旭川市)
「国士無双(こくしむそう)」という名前を一度は耳にした方も多いはず。
昭和50年に誕生した端麗辛口酒「国士無双」を看板銘柄とするのが旭川にある高砂酒造株式会社です。
明治32年、旭川にて創業し、国士無双で端麗から口ブームに火をつけました。
国士無双の中のひとつ「純米国士無双」は、麹の香りをほのかに残した純米酒で、ほどよい辛口、爽やかな味わいです。
冷やして飲むのとぬる燗がおすすめで、冷やで飲むと純米独特の冴えと深み、ぬる燗では純米独特の香味が際立ちます。
男山 – 男山株式会社(旭川市)
男山酒造は、寛文年間、今から約300年ほど前に伊丹において醸造を始め、現在の地・旭川にいたります。
極寒の地旭川ならではの醸造方法で作られるお酒もあり、老舗の酒造です。
代表銘柄「男山(おとこやま)」は、端麗辛口でありながらも、すっきりとした飲口のお酒で日本のみならず海外でも人気のお酒で、その中のひとつ「北海道限定特別純米男山」は、芳醇、やや辛口ですが口当たりまろやか。
ぜひ冷やしてお楽しみください。
大雪乃蔵 – 合同酒精株式会社(旭川市)
看板銘柄「大雪乃蔵(たいせつのくら)」は、「本当にうまい北海道ならではの地酒を」という想いから、北海道産米を100%使用した正真正銘の北海道の地酒です。
その中のひとつ「純米吟醸大雪乃蔵絹雪」は北海道産原料米「吟風」を精米歩合50%まで磨き、低温で丁寧に仕込んだ純米吟醸酒です。
絹のごとく透きとおったなめらかさ、優雅な香りが特徴の端麗辛口のお酒です。
冷やして飲むのがおすすめです。
国稀 – 国稀酒造株式会社(増毛町)
国稀を製造するのは、明治15年に増毛町にて創業した国稀酒造株式会社。
増毛はニシン漁の千石場所として栄え、その漁場で働くヤン衆のための酒を造り始めたのが創業の起こりです。
代表銘柄は「国稀(くにまれ)」。
辛みをおさえ、まろやかですっきりとした味わいで冷やでも熱燗でもいけるお酒です。
その一つ「国稀上撰」は後味まろやかで清々しい辛口のお酒です。
冷やして、常温、ぬる燗、熱燗とオールマイティにお飲みいただけますが、常温、ぬる燗が特におすすめです。
福司 – 福司酒造株式会社(釧路市)
味わい豊なお酒「福司(ふくつかさ)」を看板銘柄とするのは釧路にある福司酒造株式会社。
大正8年に創業。厳しい自然条件の中で、醸された北海道釧路の地酒は新酒鑑評会で受賞経験が多数ある酒蔵です。
その中のひとつ「福司純米酒」は、冷、常温、ぬる燗、熱燗とオールマイティにお飲みいただけます。
味わい豊で、やや淡麗のスッキリとした味わいです。
北の勝 – 碓氷勝三郎商店(根室市)
飲む程に爽やかなお酒「北の勝(きたのかつ)」。
北の勝を製造しているのは、日本の最東、朝日が一番早い北海道根室市で創業した碓氷勝三郎商店。
明治20年に誕生した銘柄が同酒造の看板銘柄「北の勝」です。
その中のひとつ「清酒北の勝大海(きたのかつたいかい)」は、水のごとく口当たりよく、透明感のある喉越しです。
冷やして飲むのと熱燗がおすすめです。
12番目の蔵ができました!
北海道で戦後初の新しい12番目の蔵ができました。
その名も「上川大雪酒造」。
クラウドファンディングで資金を集めておられましたが、無事に立ち上がり、現在は一般発売も始まりました。
クラウドファンディングで出資した際にいただいた試験醸造の日本酒をいただいているので、興味のある方は見てみてください。
酒米の違いから見るおすすめの日本酒!北海道の期待の新米〜きたしずく〜
これから注目の酒蔵を注目していきたいと思います。
さいごに
新しい蔵もできた北海道の銘酒はいかがでしたか?
ぜひ北海道の魅力的な日本酒のラインナップも味わってみてくださいね!
おまけ 日本酒の温度について
冷やしてもよし、温めてもよしというお酒は世界中を見ても日本酒ぐらいで、とても珍しい飲み方です。
もちろん好みの温度で楽しんでもらえばいいのですが、より美味しく日本酒を味わうためにはその銘柄に合った温度で楽しむことが重要になります。
今回も色々な日本酒をご紹介しましたが、それぞれ飲むときのおすすめの温度を書いているので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。
それぞれの温度での日本酒の呼び方についても身につけて、居酒屋産なんかでも同じ銘柄で違う温度の香りや風味の違いを楽しむのも日本酒ならではの楽しみ方の1つですね。
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