新潟県、高千代酒造の日本酒「高千代(たかちよ)」。
フルーティーな果物をイメージした「たかちよ」、たかちよよりもワンランク食中に向けた「Takachiyo」、そして他の2つとは全く違う、山廃・生酛系による3つ目の「高千代」があるのはご存知でしょうか?
ふたつのたかちよとは似ても似つかない漢字の「高千代」ですが、3つの銘柄がある意味も含めて、3種類目の高千代をご紹介します。
高千代酒造の3つの主力
日本酒の銘柄をみれば、3種類の同じ読みのする銘柄というのも、この高千代酒造の日本酒以外にはないのではないでしょうか。
実はこの3つのたかちよですが、「たかちよ」「Takachiyo」「高千代」それぞれで担当の製造責任者が違います。
3つの銘柄すべてに3人の担当者は関わっているのですが、責任者という役割はそれぞれが担当しています。
また高千代酒造のトップの製造責任者、便宜上「杜氏さん」と言いますが、その方が責任者なのは漢字の高千代なのです。
なぜこのように3つに分けているのかもしっかりとした理由があります。
これはもしもの時に高千代酒造のお酒がダメになった時、1つの銘柄では立て直す事が出来なくなるのに対し、リスクを分散する意味も込めて3つに分けているとのことです。
また3種類それぞれの違いを出して、時代の流れに対して柔軟に対応していき、場合によっては製造方針や味わいを変化させて行き、時代の流れに乗り遅れないようにするという経営的戦略があるためなのです。
近年都市部で着実に人気を伸ばしているお酒ですが、新進気鋭とも言うべき勢いは他にはない着実なマーケティングと売り込みによるところが大きいと思われます。
その証に、「たかちよ」と「Takachiyo」は特約店を分けていて、どちらか一つに注力して貰うように特約店にお願いしているようです。
「高千代」は辛口旨味系
「高千代」の分類としては、蔵の日本酒の辛口と山廃を担っている銘柄とも言えます。
他の2つとは、ずいぶんと味わいが異なり、同じ名前の銘柄とは思えないくらいです。
また夏酒やひやおろしなどの定番季節品は、この高千代から発売されます。
そのため、「たかちよ」と「Takachiyo」のようなほぼ毎月リリースされる、銘柄自体が限定商品というわけではなく、定番酒としての役割もあります。
定番酒としてリピートが多く、辛口好きと山廃のようなボディ感の強い日本酒という対象的なニーズにも対応できる商品となっています。
なお山廃系は今年からのリリースで、徐々にブラッシュアップして認知度を広めていく計画だと言います。
高千代の味わい
高千代の基本商品は主に2つで、簡単に言えば、辛口と山廃です。
からくち純米
高千代の基本となる形で、日本酒度は+19という超辛口タイプです。
風味は辛く、ドライなグッとくる辛さというよりもスッキリとキレるタイプの辛口です。
常温で飲めば確かに米の旨味があり、香りが少々独特なので飲めば飲むほど深みがあるのがわかります。
冷やしても熱燗でも色々な温度で楽しめます。
夏酒やひやおろしなどはこのからくち純米を主体に造られます。
高温山廃
味わいは甘く、とても濃い旨味と酸味が強いのが特徴ですが、酸味がキレを出して、旨味を引き締めているので後キレが良くダレません。
飲んだ印象が通常の山廃と違うので、一般の山廃のイメージではなく、旨味が濃い日本酒と思う方がしっくりくると思います。
飲み方は常温から燗がおすすめです。
また他にも山廃のシリーズとして、高温山廃純米大吟醸などがあり、高温山廃シリーズとしても力を入れていくそうです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
この漢字の高千代ですが、実は他にもまだいくつかラインナップがあるのですが、徐々にラインナップを整理していき、最終的にはからくちと山廃系に絞っていくそうです。
3種類のたかちよの中では、知名度的にはまだ他の二つほど固まってはいませんが、実は高千代は特約店を分けられてはいなく制限はありません。
なので「たかちよ」と「Takachiyo」どちらかがあるお店では高千代も扱っていることが多く、その分販売拡大にも繋がります。
とても周到に用意されています。
味わいに幅と深みを持たせた銘柄だけではなく、戦略的に2種類を繋げているのが漢字の高千代なのです。
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