日本全国に多くの蔵元が存在し、それぞれの地方に銘酒があります。
そのお酒は土地にあった作り方や気候、歴史によって味の違いがあります。
今回は日本を八分割して、「北海道」「東北地方」「関東地方」「中部地方」「近畿地方」「中国地方」「四国地方」「九州・沖縄地方」としてそれぞれの地方の日本酒の違いをご紹介します。
あなたのお気に入りの日本酒はどの地方ですか?
北海道
海に囲われた広大な大地を持ち漁業・農場盛んな北海道。
日本酒作りが始まったのは明治頃からと歴史はとても浅いです。
その理由としては昔の北海道にはアイヌ民族が住んでおり、その開拓が行われたのが明治初期なのでそれ以降から本土の文化などが普及した為です。
そんな北海道は現在約15か所の蔵を持っています。
土地の広さを考えるととても数が少ないですね。
その厳寒な気候と水やお米の入手が難しく流通面でも本土に比べてどうしても高くなってしまうマイナス面を持ちます。
ですがその大雪から得た雪解け水などを使用したり、広大な大地と厳寒な中育った地域米を使用した日本酒が作られるようになりました。
最近では「きたしずく」や「吟風」といった新しい品種の酒米で造った日本酒も出てきています。
北海道の日本酒についてはこちらで詳しくご紹介しています。
酒米の違いから見るおすすめの日本酒!北海道の期待の新米〜きたしずく〜
東北地方
東北は多くの山々から流れる水でお米作りに盛んな土地。
北海道程ではありませんが積雪や気温の低さがある東北ですが、現在のような設備が整う以前から「低温長期発酵」を利用した日本酒作りを開発しました。
日本酒作りに使う醪(もろみ)は温度が高いと発酵がより進み短時間で濃厚な味を作り出すのですが、あえて低温で時間をかけて発酵することにより淡麗なきめ細かな味へ変化します。
お米にも困らない土地なので日本酒作りには最適で、その歴史はとても深いと言えます。
関東地方
富士山や筑波山、多摩川や利根川など水の自然が多い土地。
江戸時代には中心部である江戸から多方面へ行き来できる街道の開通により各地から日本酒に適したお米などを入手できる環境にありました。
ただ関東の気候は発酵・醸造するにはあまり適していない為、日本酒作りは盛んではありませんでした。
寒い冬の間だけ杜氏(お酒を作る職人さん)を招いてお酒作りをしていたとされ、関東発祥の蔵元の数はかなり少ないです。
現在では各地のお酒が手に入り、東京で話題発信し有名になる日本酒も多いです。
中部地方
中部地方と言いますがとても広いので、北信越地方と東海地方に分けてご紹介します。
北信越地方
東北同様に厳寒な気候に加えて湿気の多い環境で日本酒作りに適している土地。
日本酒作りに使うお米(酒米)「五百万石(ごひゃくまんごく)-新潟県」「美山錦(みやまにしき)-長野県」を生産使用しています。
五百万石の酒米を使用したお酒造りはこちらの記事で詳しく説明しています。
酒米の違いから見るおすすめの日本酒!スッキリ使いやすい〜五百万石〜
これらは生産量1位の「山田錦(やまだにしき)-兵庫県」に続き2、3位を争う有名な酒米です。
酒質は淡麗辛口が多いです。というのも日本海に面した地方では漁業も盛んで、そういった食文化に合うように作られたものが多い為と言われています。
東海地方
北アルプスや木曾御岳、長良川・飛騨川など水に恵まれた土地とそれらが流れ込む濃尾平野の肥沃な大地を持ち、関東・関西に挟まれ両方の影響を付けつつも独自のお酒作りをしている東海地方。
三大杜氏である南部杜氏をはじめ、能登杜氏などの蔵を持ち個性の強いお酒が多くあります。
例えば「古酒(製造年から寝かせたお酒)」を専門に扱ったところ、「生酒」にこだわっているところなどなど他とは違った特徴を持つものがあります。
近畿地方
日本酒の発祥地ともされる奈良県を含む関西地方。その歴史は1000年以上もあり、お酒と関連深い寺や神社がとても多く存在します。
はるか昔、大寺院で作られる僧坊酒(そうぼうしゅ)と呼ばれるお酒が朝廷に認められるほど高い評価を得ていました。
都心部の発展により無くなってしまった蔵元も多くありますが、今なお残っている蔵元の多くは過去の伝統を受け継ぐ歴史あるお酒です。
また酒米の生産量1位である「山田錦」で有名な兵庫県は三大杜氏の1つ、丹波杜氏により造酒に大きな影響を与えました。
山田錦を使用した日本酒はこちらの記事で詳しく紹介しています。
昨年は丹波杜氏による「しぼりたて生酒」の新商品を発売するなど、これからも日本酒界の大きな存在となりそうです。
こちらの記事では日本酒の二大拠点兵庫県と京都府があり、私のホームタウンでもある近畿地方をさらに掘り下げてご紹介しています。
中国地方
なだらかな地平が特徴の中国地方は石灰質の地層を持つ土地。
その土地で取れる軟水を使用して製造される日本酒は柔らかいのどごしのものが多いです。
甘口の日本酒を作っているところが多く吟醸・大吟醸などが有名な蔵を多く持ち、お魚や味の濃いめ食べ物にとても相性良く作られています。
「獺祭(だっさい)」は山口県を代表する日本酒で日本だけでなく海外にも人気の日本酒です。
酒米では岡山県原産の「雄町」があり、「オマチスト」というコアなファンが生まれるぐらい人気が出てきている銘柄もあります。
中国地方に関係の深い日本酒を取り扱った記事はこちらです。
四国地方
高低の激しい山々が密集し、四万十川や仁淀川が流れる土地。
仁淀川は水質全国1位を誇るとても綺麗な川です。
温暖な気候なのですが標高の高い山では醸造するために必要な寒さを確保することができ、そこでお酒作りをしていたとされています。
ただその温度管理はとても難しく断念せざるを得ない蔵元も多くあったそうです。
今では冷蔵管理できる設備が整っている為、その新鮮なお水で日本酒を作り続けています。
九州・沖縄地方
暑い地方でも作ることの出来る焼酎作りが盛んなことで有名です。
温暖な気候からお米作りに向かない土地柄で日本酒作りには適していない土地ですが、焼酎蔵では清酒も一緒に作っていることがよくみられます。
一般的に焼酎で使われる「黒麹」を日本酒に合わせたりと独自の日本酒作りをしています。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
各地の詳しい情報はそれぞれの地区の特集ページでご覧ください。
地区ごと、酒造ごとに色々な特徴があり、見ているだけでも楽しんでもらえると思います。
最近ではクール便が発達し、日本全国でどこの酒米でも手に入るようになり、地酒という文化が薄れつつあります。
それでも同じ酒米であっても水が違っていたり、天候が違ったりとそれぞれの土地にあった日本酒をどの酒蔵でも試行錯誤されて造られているので、全く違った味わいが生まれます。
そういった酒蔵の背景を知りながら日本酒を飲めば、より一層造っている方々の愛情を感じて美味しく楽しむことができます。
ぜひ各地の日本酒を飲み比べて見てくださいね!
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